Page.2二人の生徒
小川とくせ毛の少年は校長室に行った先生を待っている間、自分たちのことについて少女にはなしはじめた。
「自己紹介がまだ、だったね。私は小川美緒。猫っぽいからみんな私のことみゃおって呼んでるにゃ。明日香、よろしくね!」
みゃおは明るくフレンドリーな性格みたいだ。
「よろしくお願いします……みゃ、お」
少女は少し照れながらみゃおの名前を呼んだ。
「というか、私の名前…明日香なんですか?」
「嫌…だったかにゃ?」
みゃおがそういうと少女はすぐさま否定した。
「そうゆうわけではないんですけど…名前本当のものではないと思いますし…」
少女は複雑な表情を見せた。
「君の複雑な気持ちも分かる。俺が思いつきで言ったやつだし…」
くせ毛の少年はぴょんとはねている髪の毛を手でわしゃわしゃとして、少し照れくさそうだ。
「でも名前、なきゃこまるだろ。」
くせ毛の少年は少女に笑いかけた。
「俺の名前は間宮千遥。間宮の姓は俺を見つけてくれた間宮先生からもらったものだ。名前もこの懐中時計に書いてあった名前だ。自分のものかはわからない。」
少女は驚いた表情を見せて千遥に問いかけた。
「見つけてくれた…?」
「そ、俺も明日香と同じように記憶喪失でこの学校の近くに倒れてた。でも、もうそんなことどうでもいいんだ。今、みんなとここにいることが一番楽しいからな。あと 、知らないほうが良かった過去もあるかもしれないしさ………」
千遥はすこし悲しそうな表情になった。
それをみて少女もすこし不安げだ。
「あああぁぁぁぁ!!!!もうっっっ!!!」
そう言ってみゃおは千遥の頭を先生の机にあったファイルでおもいっきり叩いた。
「いっってぇぇぇ!!なにすんだよぉ!せっかく俺がいい話を……」
千遥は涙うかべながらみゃおにうったえた。
「明日香を不安にさせてどうすんの!?」
しかしみゃおは少女の不安げな表情が心配らしい。
「俺はどうでもいいのかよ!!」
「もちろん。あったりまえでしょ。」
「おまえなぁ……もうはこっちだ。」
「ふふふっっ」
少女、いや明日香は二人のやり取りがおかしかったらしく、笑い始めた。
それにつられてみゃおと千遥も笑いはじめた。
The story about a book 桜うさぎ。 @sakura_usagi
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