The story about a book
桜うさぎ。
Page.1 謎の少女
2345年。魔法が一般的に認められるものとなった。それにともなって、危険な魔法を集めた「禁断の書」が作られた。
そして、魔法が一般的に認められて220年たった2565年。魔法を扱う人を「魔法師」と呼ばれるようになった。
魔法師はとても貴重な存在で10万人に一人の逸材言われている。
そして、これはそんな時代に起きた不祥事である。
「あぁ~なんか、つまんにゃいにゃ~。」
と、ぼてぼてと校舎の裏をふわふわのツインテールの少女が歩いている。紫色のブローチを付けている。ということは魔法師だろう。
「にゃっっ!」
その少女は校舎の裏で倒れている美少女を見つけた。その、少女は今では珍しい制服らしき服を身に着けていることからこの時代の人ではないことが分かる。しかしこのくらいのことは魔法が存在するこの時代では、日常茶飯事だ。だが、「気を失って倒れている」ということは、助けなければと思った。
その少女は目をゆっくりと開けた。
「大丈夫かにゃ?」
ふわふわのツインテールをした少女はほっとした表情でその少女に聞いた。
「はい…。」
少女は不安げな表情でふわふわのツインテールの少女に聞く。自分の住んでいるところと違うところに来てしまったのだろうか。ということは迷子…?
「あの…。ここ、どこですか…?」
やっぱり、迷子だろうか。
「ここは、2565年の日本だにゃ。あんたはどこからきたのかにゃ?」
とふわふわのツインテールの少女は答えたが少女はまだ不安げな表情をしている。
「どうしたにゃ?」
少女は制服らしき服のスカートをぎゅっとにぎってぽつりと言った。
「分かりません…。」
「にゃ!」
ふわふわのツインテールの少女は表情をくずした。すると、また少女がおずおずと口を開いた。
「何も覚えていないんです。どこから来たのかも、自分の名前さえも…。」
ふわふわのツインテールの少女は顔青ざめ、冷や汗もどっとでてきた。
「それって…、記憶喪失にゃ…?」
「たぶん…。」
少女は顔をにごしながら言った。
ふわふわのツインテールの少女は震えた声で言う。
「とっとりあえず、職員室へ行くにゃ!」
ふわふわのツインテールの少女は記憶喪失の少女をひっぱり学校の職員室へと走っていった。
ふわふわのツインテールの少女は職員室のドアをあける。
「お、どうした?小川?」
眼鏡をし白衣を着た黒髪の若そうな人が言った。理科の先生だろうか。そして、ふわふわのツインテールの少女は小川というらしい。
「この子が校舎裏に倒れてて…。記憶喪失らしいんです。」
そう、小川が言うと、少女が一歩前に出てぺこりとお辞儀をした。
「その制服はセーラー服だな。ということは2300年代くらいの者だな。」
「にゃ!」
小川は思わず声をあげた。
現在から、200年以上も経っているのだから驚くのも無理は無いだろう。
「記憶喪失だったね。」
男性にしては少し高めの優しい声で少女に聞く。
「はい。」
人見知りなのだろうか、少し緊張気味の声で美少女は答える。
「間宮先生。」
明るくはきはきした少年声だ。どうやら、この先生は間宮というらしい。職員室に入ってきた少年は幼さを残した顔に枯色のつんつんした、くせ毛だった。少女を見た瞬間、その少年は顔を歪めてつぶやいた。
「明日香…」
間宮はおどろいた表情になり、すぐさま反応する。
「この、少女を知っているのか?」
そう聞かれると、くせ毛の少年は不思議そうな顔をして首をかしげた。
「いやそうゆうわけでは…、よくわかんないけど、この名前がぱっと浮かんだんだ。」
すると、小川ははんっと少年の言った事に対して鼻で笑った。
「どーせ、初恋の人に似てたーとかじゃないのかにゃ?」
と生意気な口調で言った。すぐさま、くせ毛の少年が言い返す。
「違うって。なんか、ねぇ?物とか見てぱっと思い出す感じ。」
小川は口をとがらせた。
「まぁ、わからんでもないけどにゃ…」
「とりあえず、うちの学校で保護するとしようか…。」
間宮が考えこみながら言った。小川がすぐさまツッコミにはいる。
「間宮先生がかってに決めていいのかにゃ?」
「え?だめだけど?」
くせ毛の少年と小川は間宮をジトーっという目で見た。
「…………校長のところに行ってきます。」
白旗を掲げた間宮は校長室へ向かった。
そして、記憶喪失の少女はきょとんとした表情でその一連のやり取りを見つめていた。
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