レビュー怖い

東利音(たまにエタらない ☆彡

レビュー怖い

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 とある書けたり読めたり、ランキングを嘆いたりできる小説投稿サイトの作者たちが会合をしていた。


 そこで話が、自分の苦手なもの、怖いものに及ぶ。


「やっぱり、アクセスが少ないのが怖いなあ」

「いや、話別アクセスで、1話と2話のアクセス数のギャップがでかいのが嫌だわ。

 がくんと落ち込んでるの。1話目の冒頭だけ読んで即バックみたいなの」

「俺のも一話は100ぐらいPVあるけど2話は一桁だわorz」

「俺なんて未だに累計のPVは一桁だぜ! 毎日更新してるのにぃ」

「それは、ジャンルが悪い。マイナージャンルは不遇だ。現ドラと現アクは避けたほうが無難だ」

「いや、ファンタジーなんだ。しかもチーレム」

「他所のサイトでやれw」

「おまえらタイトルとあらすじ見せてみろ、おそらく壊滅的だろう」

「キャチコピがクソな可能性が微レ存」

「晒すには勇気が……」

「俺が怖いのは、不自然なフォロワーだね。フォローだけしといて一向に読む気配がない」

「そうはいっても、作品にフォロワー増えないのはつらたん」

「フォローしてもらえるだけ有り難いと思え!

 フォロワー数ゼロの俺に謝れ!」


 そんな話で盛り上がる。


 そのような和気藹々とした雰囲気の中一人黙り込んでいる作者が居た。

 少し皆から嫌われているのだ。


 だが、放って置くのもアレなので、一人がその作者に声を掛けた。


「お前は何か怖いものはないのか?」

「いや……特に……書かせて貰って投稿させていただいてるだけで満足なんで……」

「マジで?」

「えっ、はい、そうです」

「いや、あるだろう? アクセス少ない悩みとか、フォローが増えない悲しみとか……」

「無いですね~」


 その毅然とした作者の態度に他の作者たちはこいつはひょっとしてランキング上位作家じゃないのか? といぶかしんだ。

 だが、そういった雰囲気とも少し違う。


 皆は気になって作者を問い詰めた。

 するとその作者は重い口を開いた。


「しいて言えば自分の作品が話題になることが怖いですかね」

「はあ? 何言ってんの?」

「話題になったら勝ちだろうが!?」


 と口々に突っ込むが、


「いえ、プレッシャーになるじゃないですか。アクセスだけならいいんです。

 読み飛ばしているかも知れないですから。でもSNSとかで拡散されちゃうとどうしても作品の内容にまで触れられるじゃないですか? そういうのを目にしてしまうのが怖いんです」


 そういう奴もいるのか、と作者たちは一応納得した。

 納得した上で少しいたずら心が芽生えてくる。

 この作者の作品を方々で拡散してみてやろうと。


 それぞれがスマートフォンなどでその作者の作品について呟いたり、掲示板に書き込んだりブログで取り上げたりした。


 するとその作者がわめきだした。ぶるぶると震えながら、


「ああ、何だか知らないうちに作品のPVが増えてしまっている。おそらくどこかで話題になってしまったんだ。嫌だ、こんなのは嫌だ。ダメだとわかっていてもついついエゴサしてしまう。そして数多くの肯定的な意見の中に混じった否定的な意見を目にしてしまって落ち込んでしまう」


 皆は震える作者を見ながらたいそう喜んだ。

 こういう奴もいるんだなと。

 確かに、作品が話題になってアクセスが増えるとアンチも増える。

 自演だ相互だと疑いを持って背景を調べ出すヲッチャーも出てくる。

 さすがにそれは気分がいいものではないなと納得しかけた。

 

 だがしかし。

 その作品はそれほどひどいモノではなかった。

 ある一定以上のクオリティを持った作品だった。


 それが話題になるとちょくちょく☆を付けだす読者が増えていく。

 瞬く間に作品はランキングに掲載された。


「ああ怖い。☆がついた。凄いペースで☆が増えていく。このままじゃあランキングトップ5に掲載されてしまう」


 とか言ってる間についに作品はトップ5に踊り出た。

 その時になって、皆はやっと一杯喰わされたことに気が付いた。


 腹を立てた者がその作者に向って言う。


「やい! よくもだましてくれたな!

 お前の本当に怖いものを言いやがれ!」


 そこでその作者が一言。


「このへんで作品の魅力を語る熱意あるレビューが付くのが一番怖い」


 おあとがよろしいようで。































???「お前か? からかいがいのある作者と言うのは」

さっきの作者「あなたはどなたです?」

???「わたしは運営だ」

さっきの作者「そうですか」

運営「お前を怖がらせて楽しむのが非常に愉快だと、ある人間から聞いた。どうだ、お前の怖いものを教えてはくれぬか?」

さっきの作者「そんな、わざわざからかわれるために、わたしの怖いものなどをお教えするわけには」

運営「そこをなんとか頼む。」

さっきの作者「そんなご無体な。では本当に怖いものを言います」

運営「ああ、聞こう」

さっきの作者「わたしが一番怖いのは運営さんがおすすめ作品として自作を広告などで紹介することです」




どっかの出版社「お前が怖いものを教えろ」

作者「書籍化の打診が怖いです」

どっかの出版社「よし、打診してやろう」




運営「他の出版社から書籍化の打診が来たようだな」

作者「ああ、書籍化が怖い」

運営「ならばうちで受賞させて書籍化してやろう。他の出版社にこんな楽しみを奪われるのは勿体ないからな」




漫画雑誌編集者「お前の怖いものはなんだ」

さっきの作者「コミカライズです」




アニメ監督「お前の~以下略」

さっきの作者「アニメ化です」


映画監督(次世代の宮○駿と呼び声の高い)「おま(ry

さっきの作者「あ~映画化(ry


ハリウッドの偉い人「(ry

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