織田崇滉 先生のコラボ作品つながりでお邪魔させていただきました。
桜子さん……なんというか、色んな意味でパワフルですよね。春哉さんが、寛大且つ とっても懐に厚いひとで、こんな兄を持てるなら、ぜったいにぼくはブラコン街道を走っちゃいますね! 断言します。
相反するフィーリング カップルが、相乗効果でベスト カップルに……とか、すごい!
朝子さんも可愛かったな~ ♡ ウフフ
桜子さん。読み進めてゆくにつれて、どんどんと愛おしくなってきちゃいますよね。コレ不思議。。
神島マジックでしょうか??? いっき読みするぐらい、ストーリーに引き込まれてしまいました ♡
ワタクシゴトで申し訳ないのですが、ぼく「CL〇MP」先生のファンなんですね? 子供の頃から。
で、作品のひとつ、~レイアースに出てくるキャラクターに「ノヴァ」って女の子がいて、その女の子と桜子さんが自分の脳内劇場で合致しちゃって……
一粒で二度おいしい的な感覚で読み進んじゃいました。ゴメンナサイ。。告白と懺悔でした。。。
とっても面白かったです ♡ ありがとうございました!
―千隼―
桜子さんの愛は、とっても深い。そして、とっても狂っている。彼女の愛情表現が「恋人の殺害を試みる」ということなのだから、ヤバイ。
おはようからおやすみまでどころか、寝ている最中だって油断できないだろう。殺害レシピにあった「腹上死」はちょっと興味あるけれど……。
間違いなく、古武術を極めたこの主人公ではないと桜子さんとはまともに付き合えないだろう。私なら、恋人になって一分以内に殺害される自信がある。
しかし、ここまで書くと、「単なるヤンデレもの」だと勘違いされてしまうかも知れないが、この『桜子さんの殺人レシピ』という作品には他のヤンデレものとはちょっと違う味付けがあるのだ。
その味付けというのが、桜子さんがヤンデレと化したその背景がきちんと説明されていることである。
ヤンデレものの作品では、「いかにヒロインを怖ろしくみせるか」というこだわりはあっても、そのヒロインの人物背景が描かれないことが多い。
ヤンデレという記号化されたヒロインが主人公を追いつめていくだけでは、何というかヒロインに人間的な生々しさが感じられなくて味気ないのだ。
だが、『桜子さんの殺害レシピ』ではヒロインが心の闇に堕ちた過程が説明されているおかげで、桜子さんはちゃんと血の通った人間なのだと感じることができ、そんな彼女が狂気にとらわれていることに読者は恐怖を抱いたり、同情したり、感情移入できるのである。
そして、私が一番いいなと思ったのは、主人公が桜子さんの心の闇とちゃんと向き合い、ラストでは救いがあることだ。
ヤンデレものなのに後味の爽やかな読後感があり、最後にはとてもポジティブな気持ちにさせてもらえた。
「ヤンデレとか恐いヒロインは苦手だ」という人にもおすすめできる、ちょっと一味違うヤンデレ小説の良作となっているので、興味を持った方は迷わず読んでみてください。
良作。
ヤンデレの彼女から毎日のように襲われる主人公が、彼女と正常な恋愛をはぐくもうと試みる恋愛ストーリーである。
主人公とヒロインの描写はすぐれている。特にヒロインの行動は強烈で、読者に十分なインパクトを与えられると感じた。さらに私のものにならないなら死んでもらう、だけではなく、殺しにかかること自体が愛情である、というこれまでのテンプレートとしてのヤンデレを超えた部分が特徴的である。
本作はもちろん徹底したリアル追及路線ではなく、あくまで主人公がヒロインの特徴的な愛情表現を特技の古武術でかわしつつ、お互いの理想的な形に変えていこうとするドタバタのラブコメディである。しかし現実的な話をすれば、こうしたヒロインも他のヤンデレと同様に境界性パーソナリティ障害のパターンに含まれると考えられるし、その原因が多少ではあるが作中に描かれているなど、リアルな背景事情を盛り込んでいるため、作品に厚みが加えられている(実際にヒロインの持つ障害が本作のような要因で生じ、本作のような展開で克服できるかは不明だが、そこはフィクションとして吸収できる範囲のように思えた)。
本作の長所は、主人公とヒロインが至るエンドに納得感があるところにある。アマチュアがやりがちな、単に主人公とヒロインを描写しただけでなんらの展開が無い肩すかしのような作品ではなく、本作は主人公とヒロインの変化がラストにいたるまで段階的に描かれており、そこに至るまでの伏線と回収も丁寧である。
総じて、本作は高い質に至っていると評価したい。しかし一点、読者を決定的に引き込むパワーについては弱さを感じた。上手ではあるが、既存作品の組み合わせで作った作品という印象がある。今後は作者だけが経験してきた他人が持っていない武器で勝負してほしい。それができれば、今後はプロに評価してもらい、プロの世界で勝負することが可能になるのではないかと思う。
ヤンデレ物としては、極めて王道(いやそもそもヤンデレを扱ったお話が王道と呼び得るのかという問題はありますが)なのですが、この作品の面白さはやはり登場キャラクターの設定と配置の巧みさにあるでしょう。
特にメインヒロインの脇を固める人々――春哉くんと朝子さんのキャラ造形が素晴らしい。常に恋人を殺害しかねない桜子さんを、武術の体得者であるがゆえ日々華麗にいなし続ける春哉くんと、報われぬ片想いに身を焦がしつつも、家族が警察官ゆえ犯罪者は見逃せないという正義感に燃える朝子さん。
この三人の関係性がガッチリと嵌まって、ヤンデレ物としてこれまでにない妙味を生み出しています。