二人の会話から派生して、過去に入り込んでいって、言葉が出ないような終わり方が好きだった。俺はこの作品を忘れないと思う。
登場人物の思考や行動が常に「正しい」ことを求められがちな昨今、淡々と綴られる「正しくないけど、『こう』なんだ」という姿勢が魅力的。多くの人には理解も共感もされないが、『こう』なんだから仕方ない。人間には、他人がいくら手を伸ばしても触れられない心の陰というものがある。そういう部分が少し疼く、名作。
独自性の高い視点で面白かったです。小説ってこういうものだな、と基本に立ち返ることができるような話でした。個人的に読者としても共感できました。共感しちゃいけないような視点ではある。けれど読者として個人としてよくわかると頷いてしまいたい、そういう物語です。いいですね。恐らく万人向けではないのでしょうが個人的には大好きです。
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