彼らはなぜそこで生きているのか。なぜ記憶がないのか。なぜそこでの生活に違和感を覚えないのか? 謎解き感覚でドキドキしながら読める作品でした!
「形式としてすでにSFを誤解している」というのは、この作に限った話ではない。 なぜゆっくり始まるのだろう。なぜ最後に何かが明かされるのだろう。 言うとするなら、何かが明かされたところからSFの話は始まる。何かが明かされて終わるなら、その時点で形式としてすでにSFを誤解している。 それは、氾濫するトリックに依存した話の影響もあるだろうと思う。だがトリックに依存するのは、形式の一つではあっても、SFの形式ではない。
話運びが巧みで、ぐいぐいと読まされる作品でした。いつか現実になり得るような、小さなディストピア。健康って一体なんなのでしょうかね。考えさせてくれます