仕事。
労働をしないのは怠惰だ。惰眠を貪るだけの人生には意義と言うものを見出せない。娯楽こそが人生と唱える者の存在は認める、けれど彼らもまた、娯楽を味わう労働を抱えているのだ。
何が言いたいかと言えば、勤勉でありたいと言う意思表示なのだが、余りにも唐突で浅学菲才の僕は思考の底に覚悟とは裏腹に自信を書いている。
挨拶後は間髪置かずにアンクルに呼び出された。
「何、案ずるな。奴は凶悪だが、幸いにも対集団戦闘能力はルミナよりも劣る」
不死ノ王、両親を惨殺したそいつに対しての憤懣はある。それが両親を殺した事への報いでは無く、ルミナに涙を流させた罪を清算させなければという事なのだがこの場合はどうでも良かった。
作戦が問題なのだ、アンクルさん。専門家に対して批判する程の自信は僕には無い。だけども、仮に僕が王だとしてもこれは余りに無謀では無いか。
「ルミナの灰ノ王で僕を囮に奴を消し飛ばす?」
「不死の名を冠する様に奴は死なん。だが、全ては魔術での殺害方法だ、奴の不死性は王の力に起因するのだから王の力であれば死ぬだろうよ」
そこじゃない、僕が囮になる事だ。けれどもどこかしら抜けた様な返答に毒気を抜かれてしまって、文句を吐き出す余力も体からすり抜けてしまった。
さらに何だ現実的というか、正しい様にも思えてくる、僕も王の端くれ、弱い力でも灰の力と並列するのだ。
「どうやればいいんですか?」
「上空から降りてくれ、我々は射程距離内からルミナを護衛する」
これ以上尋ねても無意味に思えたので詳しくは3日後のミーティングで。
仮に君が万物の王として 編現病来 @JJJA
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