心の疲労回復に効く読書~読書する理由~

グズな人はグズなままで『ひみつのしつもん』岸本佐知子著

『ひみつのしつもん』岸本佐知子著

この中で次の言葉があります。

「グズな人には理由がある。ただしグズは魂と直結しているのでグズを矯正すれば魂も死ぬ」

とてもうれしい言葉です。

子供の頃から頭の回転が遅く、人の言葉をすぐ理解出来ずに、しばらく考え込む私でした。母親から「グズでのろい」とよくせめられ、お蔭で自信の無い私に成長しました。

唯一、こんな私の味方になってくれたのが 本たちの言葉でした。

そしてまた 一つ この本から力強い言葉が私にプレゼントされ、「ありがとう」と言いたくなります。

学校の先生から、クラスメイトから、また親の愛情から疎外されていると感じる少年がいるなら、これら本の中の言葉に強く共感できるかもしれません。

「抱えるつらい気持ちを代弁してくれている」また「私の気持ちを分かってくれる本がある」と気づいてくれたら、読書へと導かれるきっかけになり嬉しいことです。

読書の習慣が無いなら、大人が読書の機会を提供できます。

大人が読んできた本の中から、その子に合った言葉も提供できます。

もっとも今では大人も読書しなくなりましたから心細い。

素直になれないまま学校や世間に疎外感を持ち始めると、次第に世をすね斜（しゃ）に構え、のちのち反社会的な人間になるかもしれません。その前に、読書は人生を修正する一助になり得ます。

読書で心の内を的確に表現する言葉を知り、人と言葉のやり取りをする。

一見簡単そうな事が暴力を防ぐ第一歩になると思えます。

こみ上げる感情を言葉に出来ずにいると、短絡的に暴力に走る事になります。

全ての本は、誰かに確かに求められています。

オーデコロンに好みがある様に、文章が醸し出す香りに魅せられたり抵抗したりしながら心にピッタリはまる本を選びとっていきます。