Lemon Sugar

明日

「助けて、助けて。」

あんなに苦しかった病院生活が去年やっと終わり、今は晴れて自由の身。長かった暗闇から抜け出しても、大きく変わったことはあまり多いという訳ではなかったけれど。

まず、空気が美味しく感じたこと。いつも長い間部屋の中にいた私は、外に慣れていなかった。なんせ、幼稚園の年長から病院にいたのだから。どんなに綺麗な青空でも、心の奥では

「どうせまだ治らない。」

という諦めの気持ちで膨らんでいた。でも、今は違う。自分の足で地面を走れるようになった。みんなと同じようにスクールバックを持って登校できる。高校に行けば同年代の友達ができる。私の場合何もかもが幸せに感じてしまうんだ。

だから、やっと自立できる明日がどれほど待ち遠しかったことか。誰かに言って分かってもらいたいという話でもないけれど、私にはどうしても会いたい人がいる。どうしても。

話せば長くなるけれど、私にとって大切な人。なぜなら、それは私の生きる道標の人だから。

ずっと好きだった、今も忘れられない。

それは、

「初恋の人」

待ってて、会いに行くから。