親善試合で負かした少女が婚約者になった件について

――じゃあ君は……何のために戦うの？
　一年前まで仕えていた元主であり次期城主の御門紅葉と交わした最後の言葉を抱えながら平凡な日常を送っていた主人公の風見隼人の元へ届いた赤い便箋。
　手紙に記された内容に従い友好国との親善試合に参加した隼人はそこで一人の少女と出会う。
　剣術において最強と謳われた隼人からすれば少女の剣は拙く荒削り。"自分に届きうる才能の種"に惹かれたが再び会うことはないと思い本気を出して圧勝。
　しかし、その翌日実家に呼び出されて待っていたのはその少女アリシアだった。
　元主と両親の策略によって婚約者となった二人は利害を一致させることで共同生活を開始。
　はたして二人の行く末は――？

　これはとあるきっかけで出会った少年少女が惹かれ合い、互いを知り、苦しみながらも一緒にいる物語。