非常に面白い小説です。僕的にはもっと評価されて欲しい。数多のコンビニで実際に長年働いてきた作家さんだからこそ繰り出せるリアルなコンビニネタの数々。しかもそれを単なる蘊蓄だけで終わらせない緩急のつけられた物語としての組み立ての秀逸さはどうだ。終盤にかけての盛り上がりはどうだ。込められてる情熱の熱量が半端じゃないですよ。ぜひとも、コンビニ好き、バトルもの大好きの皆様に読んで欲しいですね! 何しろ相当な長編だけど読んでいくと引き込まれて時間を感じさせない。これだけの魅力的な登場人物がいるのにしっかりと書き分けられててそれぞれ活躍してます!
お仕事もの小説ってのは一つの分野として昔からあるけど、でもこれはそのなかでもかなり秀逸。
24時間いろんな人が来るコンビニってのは、人生の結節点だろうなあ、小説の題材としてはいいだろうなあ、とただの客として利用しながらぼんやり思ってたのが正直なところだけど、実際書かれたこの作品を見ると、もう圧巻。
想像以上の事件が連続するし、店員もお客もすさまじく迫力持ってキャラ立ってるし、その上コンビニというシステム・制度まで描き出してあって、まさに大迫力の歴史戦記のような読み応え。それにもかかわらず! 長いのにするする夢中で読めてしまう!
これからコンビニを利用するとき、この作品のことを思い出して、もう私は店員さんが「プライベート・ライアン」のオマハ・ビーチの戦闘並みのすさまじい戦いをしてると思っちゃうだろうなあ。入店のチャイムの音が機関銃MG42の咆哮に聞こえそうな。でもこれがぜんぜん言い過ぎとは思えないのです。