「切り取る」とは、残酷なことである。

言葉も通じない相手の為の「シャッターチャンス」。
読み終えたあと、その皮肉が胸に痛い。
いや、皮肉ではないのかな。
それは気付いたあとで彼に訪れたものなのか、ついそんな邪推をしてしまう。
彼はカメラマンとして戦地に散ったのか、兵士として本懐を遂げたのか。
どちらにせよ彼は人の一生を「切り取った」のだ。彼の本懐は遂げられたのかもしれない。

短いながらも緊張感のある短編でした。とても好きな空気感。
次回作も楽しみにしています。