子育てられ日記　～あの日譲られたカップ麺の味を俺は忘れない～

　智田和也は何の取り柄もない、典型的なニートです。
　今日も元気一杯引きこもり、ネットサーフィンに精を出していました。
　そこに彼と違い、一流企業の会社員と結婚した姉が、娘を連れて和也の元へ訪れます。
　姉の言い分は、海外へ出張に出ている夫が恋しくなったので、娘を預かって欲しいというものでした。
　給料も出すという台詞に釣られ、その額や預かる期間を確認せず、和也はそれを請負いました。
　それが自分の人生を大きく変える、一世一代の決断だったとも知らず。