丁寧に紡がれる、淡い恋と青春の物語。

まずは圧倒的な描写力に感嘆してしまう。
作中に特に大きな出来事(世界が揺らぐような事件が起きるとか、人が死ぬとか)が起こるわけではないけれど、日常のひとこまをここまで緻密に、丁寧に書き上げるのはなかなかできることじゃないと思う。

直接的な単語は出てこないけれど、二人は「好き」なんて陳腐な言葉を既に通り越した関係にある。
読んでいけば二人がお互いをどう定義しているのかがわかる。
なので、是非読んでみてほしい。

これから二人はどうなるのだろう。
果たして夜の虹を見ることができるのだろうか。

でも、きっと、見ることができなくたって、二人は幸せなのだろう。
お互いの存在がある限り。

読破後に残るのは爽やかな清涼感。
とても穏やかな気持ちになれました、ありがとう。

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