文字を書き始め二年が経ち

 ました。大凡ですが。

 折りに触れ申し上げていた様な気は致しますが、筆者は元々アニメが専攻の身分でした。


(その辺はもう多くは語りませんので、そういう過去があったとだけ記憶の片隅に留め置いて頂ければと思います) 

 https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=eNnotOdHk5M


 さて、表現の媒体を小説に移した理由ですが、これには2つほどあります。




①アニメという集団制作の限界

「自主制作アニメは企画から完成まで、短編でも最低一年を要する。社会人になって制約が増えた中で、そもそもウケない筆者の作品に他人を巻き込む事が辛くなってきた」


 これが一番大きいですね。実際の所、なぜ他人の作品に無償で手を貸してやるか、というのは、学生時代はともかくとして、社会人になってからの場合は費用対効果を考えてしまうものです。つまり面白いか? という感覚的な部分は勿論、この人の作品に参加する事で、自分の将来にプラスになるのか? といった現実的な問題が絡んできます。


 残念ながら筆者の作品は、アニメーター寄りの内容ではありませんでした。短編の中で躍動感ある動きを表現するというより、世界観や設定を考え、大きな物語を作る事に愉悦を覚えるタイプだったのです。そこでまず、アニメーターの方々にとっては面白くない部類にカテゴライズされます。次いで悲しいことに、世間的にもウケる内容でもありませんでした。要するに手を貸す旨味がまったくない作品を、喜々として筆者は推し進めようとしていた訳です。


 こうなると社会に出て活躍している面々を引き込むのには無理がありますし、僕自身も疲れ果て、自信を無くしつつあったのがこの頃です。冒頭に貼ったURLの作品の最終作が鳴かず飛ばずだった結果、ガッツリ鬱に近い状態になり、個人でできる小説の殻に閉じこもったという側面はあるでしょう。


 しかして一度は創作そのものから離れようと思ったものの、なぜだか作ることは止められないのです。気がつけばすぐに机に向かって、何かしらを書いています。最もその行為自体は楽しいのかすら分かりません。なにせ回りからはろくに褒められやしないのですから。いってみればララランドのミアのような気分でしょう。しかし赤い靴を履いて踊る呪われた少女のように、筆者の創作活動は止めようも無かったのです。




②小説なら即売会ごとに新刊を出しつつ、コンテスト向けの執筆もできる

 これはとても重要ですね。アニメなら数分を一年に一作、これが限界だった所が、小説なら毎回のイベント毎に新刊が出せます。上京してからはコミケに始まり、コミティアや文学フリマに参加し始めた筆者の事ですから、この手軽さは蠱惑的だったでしょう。アニメなら天文学、漫画でなら一生かかる物語ですら、場合によっては一年で完結させ得るのが小説です。これまでネタとして溜め込まれていたストーリーを解放する機会としても、実に適していたと言えるでしょう。


 特に筆者の場合、自分の推したい作品がウケないという悩みに常に晒されてきました。感想が貰えるまで(制作)期間を要するアニメや漫画と違い、小説ならばすぐに(完結作品への)リアクションが得られるというものです。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると言いますが、正にそういう手合でしょう。即売会向けには、自分が好きな物語を好きなように書く。コンテスト向けには、こうすればウケるんじゃないかと試行錯誤しながら書いてみる。ソレ以外にも、時間があれば実験作品を書いて反応を確かめる。これだけ多くの方向に手を伸ばせるのも、執筆に時間のかからない(ほうである)小説だからこそでしょう。


 とどのつまり事の発端は「アニメでしくじった作品を、小説で蘇らせよう」「ソレ以外にも話を書いてみて、何が問題なのかあぶり出してみよう」「賞金でニートになって、本命作品をかき上げたい」「アニメにしようと思ってお蔵入りにしていたネタを、腐らす前に世にだそう」等々の思惑が根底にあったものと思われます。

 



 とまあ、ざっと挙げるとこんな所です。

 そもそも芸大に進学し、集団制作(監督業)に手を染めた理由が、アニメーターになるほどの絵の才能が無かった為、と考えると、そもそもがテキスト畑の人間だったのかも知れません。最近気が付きましたが、筆者は映像クリエイターになりたかった訳ではなく、単に自分の世界を作り続けたかっただけなのですな。(それも「何かになりたい」のではなく、「自分で在りたい」という傍から見ればさっぱりわけわかめな)


 さてさてそれから二年。そんなお題目はともかく何か結果が出たのか。分かった事があるのかというと中々に難しいのです。ウェブ上のコンテストには折りに触れエントリーしているのですが、選考に残る事はなく、飛び抜けた評価を得るにも至っていません。しかして何かしらは分析を試みねばとも思いますので、その辺は「なろう」と「カクヨム」それに各種即売会を秤にかけつつ見て参りましょう。その為の本エピソードです。




◯なろうでウケた作品

 殲撃のヴェンデッタ、という寝取られから始まるダークファンタジーです。カクヨムではアクセスが伸びるだけで反応がありませんが、なろうでは1000pt近くまで辿り着きました(現在はカクヨムでの更新を停め、なろうのみで続きを書いています)ここまで来たのはこの作品だけですが、理由はまったく分かりません。

 殲撃のヴェンデッタ:https://kakuyomu.jp/works/4852201425154959047 




◯カクヨムでウケた作品

 本作、並びに「創作者の為のハローワーク」「身売るは恥だが金になる」といった、主に筆者の体験を元にしたエッセイ系の作品が高評価を博しているように思います。それでもべらぼうなという訳ではないので、飽くまでそういう傾向があるというだけの話なのですが。

 創作者の為のハローワーク:https://kakuyomu.jp/works/1177354054880495813




◯即売会

 固定のファンの方も含め、持ち込みの新刊は完売するようになってきました。しかしてTwitter等々で感想が述べられる事や、筆者自身のTweetが伸びる訳でもなく、実際の所どうなのかは分かりません。これは筆者のTweet内容にも問題があるのでしょうが、自分で在りたい以上はキャラを変える気は毛頭ないので、やむを得ない部分かも知れません。




◯総合的に

 恐らくは、ですが。ごくごく少数の方たちに好まれる側面が無きにしもあらずなのでしょう。カクヨムに限っていえば、評価がつかない割に応援やコメントだけは頂けるとか。まあそれ自体は確かに励みになるのだと思いつつも、しかして社会に対しては無力なのだと。そんな所かなと。言ってみれば決して当選しない、だけれど毎回数十票は獲得できる泡沫候補者のような。


 最もそれは、可能性がまだ残っているという事の証左ではあるのです。今年、さる(元)音楽プロデューサーに話を伺った際、氏は「万人に向けて創ろうと思った曲が、万人に対しヒットする事はない。ほんの数人を熱狂させられる音楽が、伝播して最終的にはヒットするのだ」といった旨のお話をされていました。


 すると。ほんの数人とは言え、筆者の作品を好きだと繁く通って下さる方がいらっしゃるのなら、まだ世に芽吹く確立はあるのだろうなと思っている所ではあります。ただし問題は、ここからあと何枚かの殻をぶち破る為の方法論が、筆者には全くわかりかねるという所でしょう。


 とまれ、それは書いて書いて書きまくった末に見えてくる地平ではなかろうかとも思いますので、今はただ、赴くままに筆を走らせてみようかと思います。面白いかどうかはさておいて、これでも多少物書きの速度自体は早まっているのです。カクヨムのコンテストはお題だと思って、これからも参加したい所存です。


 


 ざっくりとした結びとしましては。

 ①実体験をベースにしたエッセイ系の作品に、やや需要がある。

 ②性的な表現を含む作品に、評価が集まる傾向がある。


 これらを踏まえた上で、創作に活かしていくのが今後の課題になるでしょうか。とはいえこれらは飽くまでも筆者の分析です。皆様から直接お声を頂く事で方針が変わる可能性もございますので、面白い、読んでみたいという感想があれば、是非お気軽にメンションをお願いします。


 反応や評価があれば、その分野の作品に注力するやも知れませんし、書きかけの作品は完結まで持っていこうとするやも知れません。(※反応が無い作品は、失敗作と考え後回しにする傾向があります)


 ですので。しっかり褒めて必要だとおっしゃって頂ければと思います。即売会へ持っていく本命の作品以外は、そのバフが全てといって過言ではありません。あと数年は好き勝手書いて行ければと思う次第ですので、皆様のご協力を宜しくお願い致します。


 なお今月。幾つか作品は書いていますけれど、休みは未だにゼロです。疲れからか誤字脱字の高級車がどうとかこうとか。それではまた。かしこ。

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