後日談

「校長先生、上坂くんが、家で母親と男を刺したそうです!」

ドカドカと、校長室に男性教師が駆け込んでくる。

来ましたか。

「平野先生、マスコミにバレないように処理してください。」

毎年、鏡を見て自問自答させていますが、自分の本当の気持ちを気づかせるためにやっているんです。

大抵、何か深刻な悩みを抱えているんですが、普段は全く見せないんです。

 いじめられていた小林君は、いじめられていることひた隠しにしていましたが、鏡を持ち帰った翌日、いじめっこを病院送りにしました。

 不登校がちだった泉さんは父親に性的虐待を受けていましたし。

上坂君は虐待か・・・

「校長、警察も家に集まっていましたので、隠すのは無理ですよ!」

「それで、安否は?」

「母親は腹を刺される重傷ですが、とりあえず一命はとりとめたようです。

男は、まだ意識が戻っていません」

「結構」

死人がでなければ上等です。

中学一年生にここまでさせるのは、やりすぎていた報いですね。

少年法や情状酌量もあるし、長い目で見れば差し引き0でしょう。


「鏡は織田君に回してください」

「予備があるんですか?」

「この鏡は何の変鉄もない、ただの鏡です。化け物なんていませんよ」



鏡は物を映すだけでなく、反射もするんですよ。

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