本作のキーアイテムとなるのがスマートフォン。非常な便利で手放すことなどできない代物。ですがあまりにも囚われ過ぎている人が多い気もするのです。私もその一人…スマートフォンにのめり込み過ぎるあまり、目の前の人を蔑ろにし、飲まれてしまう…そんな昨今の人々の有り様まで感じられました。ホラーとしてはもちろんのこと、現代を映す鏡としても本作は秀逸だと思います。
好きな人が自分と話すよりスマホを見ること夢中になってたら傷つきますよね?そういうことのメタファー的な話なのかなと想像しましま。想いの一方通行感が切なくもあり恐ろしい、なんとも不思議な世界観のお話でとても良かったです。
ものすごい勢いで引きずり込まれるように読んでしまいました。ジュブナイル小説のパイオニア・新井素子さんを彷彿とさせるかわいい文体で紡がれる、ちょっと切なくて甘酸っぱい青春ホラー。繊細な感情描写にも心惹かれる良質な掌編です。
面白い展開で目が離せない。読み進めるほどに引き返せなくなるホラーで素晴らしかったです。
恐い。でも、ただ恐いだけじゃない。いけないと分かっているのに覗き込んでしまう、そんな甘い恐怖が堪らない作品。