Bunnies'@Eye!!

@alia1020

Prologue


西暦2023年、茨城県内某所。


「う、動くなてめえらァ!ぶち殺されてえか、あぁ!?」


一人の黒い服で身を固めた男が、銀行内で巨大な銃を構え、周囲の客を脅していた。

誰が見てもわかる。銀行強盗だ。

「さ、さっさと金出せ、金だよ!おらァく!」

男は相当興奮しているのか、呂律が上手く廻らず、銃を支える両手は震えていた。

「い、入れたな?さっさとよこせぉラッ!」

男が、金の入ったリュックを背負うために、銃から片手を離す。片手が銃身の重みに耐えきれず、マズルが若干下を向く。

それを"私"は見逃さなかった。

「はぁぁぁ!!」

助走をつけて、強盗の3m後ろから後頭部目掛けて回し蹴りを極め込む。どぬ、と、スニーカーがコンクリートを蹴るような音とともに、強盗がほぼ真横に吹っ飛ぶ。男の持つ銃が、轟音を立ててマット床を転がる。

「ってて・・・・・・・・・何しやが――ヒィ!?」

「"重機関銃M60"とは、いい趣味ですね」

頭を擦りながら起き上がろうとする男に、スカートの中、ホルスターから抜いた拳銃を突きつけ、動きを止める。

「お、おい、その赤い拳銃、まさかお前――」

「――こうとだけ言っておきます」

胸元から手帳のロゴを引き抜き、言い放つ。


「私たちは「バニーズアイ《兎の眼》」。脅迫罪と銃器安全運用法違反、並びに強盗未遂で現行犯逮捕を代行します」

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