下 おもち
その時青年はふと、10年前の旅人の話を思い出した。
そして、現在自分が置かれている状況、今までの行いと
照らし合わせたとき、一つの答えが浮かび上がってきた。
「お、、もち・・?」
そう、「そいつ」の名はおもち。
おもちは夜中に現れる。
草木も眠る丑三つ時、
おもちは音もなく背後に回り込み、
人間を食らうのだ・・・。
人間を食らった餅は満足し、人間の世界から姿を消す。
そして、食われた「人間」は・・・・
一生元の世界へ帰ってくることはできない。
全ての事実に気づいた青年は、
錯乱した。
「俺の何が悪いんだ!!!!」
夜更かししてはいけないという教えを破り、
成人にならぬまま夜遊びを繰り返した事が悪かったということに気づいていながら、反省することもなく、ただただ青年は発狂した。
「こんな崖がなんだ!俺は崖の向こうへ行く!おもちだと?ふざけた名前をしやがって・・・!!!」
いい加減にしろ!!
廃人は崖から飛び降りた。
たちまち廃人は暗闇に飲み込まれ、消えていった。
その後、彼の行方を知る者はいない。
完
闇 ああ @kiaru
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