掃除人、それは殺人の犠牲者の処理を専門に行う者のこと。血痕を綺麗に洗い流し、死体を解体して闇に葬り去る……本作の主人公・斉藤大志は高校に通う傍ら掃除人である父の仕事を手伝うという二重生活を送っていた。
ある日、日直の仕事をしていた彼は校内で何者かに殺された猫の死体を発見してしまう。それを平然とスルーする大志だったが、その翌日には彼の机の中にハムスターの死体が入れられる。その犯人はクラスメートの牧田で、彼女は大志が普通の人間ではないことに気付いて自分が人を殺すために彼に近づこうとしていたのだった……。
殺人者のために死体の処理をするというヤバい仕事をしていながら、仕事明けにバスケ部の朝練に普通に参加するという倫理観を完全にマヒさせた主人公に、寡黙で何を考えているのかわからない父親、昔から死に惹かれて自分でも人を殺したいと願い始める同級生、そして次々現れる依頼人のシリアルキラーたち……とにかく出て来るキャラがとことん強烈!
異常者たちの異常な言動に振り回されながらも彼らを冷静に見つめる大志の淡々とした語り口が特徴的で、描かれている内容はグロテスクなはずなのに、そこまで嫌悪を感じさせずに読者を引きこむ独特な力がある一作。
(「悪い人たちの物語」4選/文=柿崎 憲)
殺人の後片付けをする『掃除屋』が高校生として生活する日常をさも当たり前の様に描いている。残酷な非日常である筈なのに、淡々とした口調で主人公が話を進める、という事が理由なのでしょうか?
非日常なのに日常、というアンバランスさがこの作品の魅力だと思ってます。また、主人公の大志が成長していく様も魅力的でした!父親との関係も何だか他人の様で他人ではない、とまたまたアンバランスで不安定!素晴らしい!
キャラクター達はとても魅力的で更に個性的!
三木の独りよがりで人を人として見ず、王様の様に堂々としているのが大好きです!吐きそう!(褒めてます)
この様な作品がまた読めたら嬉しいです。読みたい......。
まず、タイトルが素晴らしい。目に飛び込んできた瞬間に読まなくてはと思いました。一方でこの作品を公式でレビューしていいのか……とも迷いました。でもやっぱり紹介したいので、レビューを書いています。最初に申し上げますが、「残酷描写有り」「暴力描写有り」のレイティングがついておりますので、くれぐれもご注意ください。
シリアルキラーに呼び出されて、殺人現場のお掃除をする仕事を請け負う主人公と、彼を取り巻く人々を描く作品です。主人公の淡々とした性格が、読み進めるうちに癖になってきます。また第1話冒頭のお掃除シーンからのシリアルキラーとの会話という流れが、この作品を端的に表していて、ここでピンときた人は最後まで楽しめるのではないでしょうか。
作中、際立つ台詞が散見されるのも特徴ですが「やっぱりB型の血は肉に限るわね」という台詞にはしびれました。この台詞がどういう場面で出てきたのか……ぜひごみなさんに確かめていただきたいです。12話で一区切りがついていますが、これから先、どのように展開していくのか楽しみです。