謎の荒熊ベアもん現る

「ベアもん!? そんなバカナス! なぜ運営側の貴様がそいつに肩入れするナス!」


慌てふためき取り乱すふなっすー。

そのとりまきたちもまた突然の来訪者の前にたじろぐばかりである。

路地裏に吹き荒れた黒い豪風は、一瞬でその場の空気を掌握していた。


「わたしはフリーランスの雇われだ。業務時間外は私情で動く」


巨大な体に似つかわしい重低音の声。

ベアもんは続けてふなっすーに言い放つ。


「それに、ルール違反を犯しているのは貴様のほうではないのか? ナスのマスコット、ふなっすー」


「……ベアもんといえど、この数を相手に無事ですむと思っているナス?」


つぶらな瞳でゆっくりと周囲を見回すベアもん。

俺たちを取り囲んだやからは数十人。路地裏ぎゅうぎゅうずめである。


「少ないな」


「ギギギっ!」


悔しそうに地団駄をふむふなっすー。


「このわたしを倒そうと言うのなら、この10倍か、緑の恐竜グリーン・ダイナソーでも連れてきてもらわねば――だが、やるというのなら手加減はせぬ」


ベアもんの気配の質が、変わる。きぐるみだから目は見えていないはずなのに、その瞳から放たれる強烈な威圧感。まごうことなき、強者のオーラ。それに感づいたとりまきの中から、怯えた声が上がる。


「き、今日のところは引き上げナス!」


ふなっすーの合図とともに、路地裏に集まったやからたちは逃げ出すように撤収していった。

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マスコット・バトル やーゆー @yaayuu

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