この小説も、4話まで来て遂に魔術による戦闘が始まりました。正直魔術に関しては門外漢な私ですが、ファンタジーな魔法ではない、実在する地味な魔術に関する知識を用いて戦闘を盛り上げている作家さんの腕は、大変素晴らしいと思いました。
ラノベのような雰囲気では無い、昔ながらの小説らしい小説な書き方も良く仕上がっていると思います
今回の戦闘は、主人公側が格上でしたが今後どのように窮地に立たされていくのか?とても気になる作品です。
あと、オッサン少女モノとして。このダレルは「デレル素質の有る良いオッサン」と見ました! きっと、良いデレっぷりに仕上がっていくでしょう。期待してます
読み始めてすぐに、この小説がライトノベルを志向せず、一般小説を目指して書かれている事に気づかされます。古典的ともいえる硬質な文章ですが、それが心地よいです。
過剰に説明せず、読者の想像力が羽ばたく隙間が用意されているこの文章力は素晴らしい。乾いた空気、すえた匂い。特に書かれていないにも関わらず、ちゃんとそれが伝わってきます。これも作者の力量でしょう。
設定もとても面白いです。一般的に異世界物は、異世界に吹っ飛ばされた人の視点で描かれる事が多いのですが、このお話では吹っ飛ばされてきた少女を守る中年のおじさん、ダレルの視点で紡がれています。
異世界になじんでしまっている人の視点ですから、異世界とは言ってもダレルにとっては現実です。それなのにちゃんとミサキの戸惑い、世界の異様さが伝わってくる。
これは襟を正し、正座して読まなければならないと思いました。
まずは第一話読了後にこれを書いていますが、どんな冒険が待っているのか楽しみです。