解答は『素晴らしい死』でした！

問1、解答は『素晴らしい死』でした

『 人生は試行錯誤を繰り返す問題である。』

何処の誰の言葉かは知りませんが私が好きな言葉です。どうやら人間さんは悩んで苦しみながら楽しく嬉しくなるように怒ったり泣いたりすることだけが生き甲斐らしく、それが複雑でうまく納得いかないのが問題になっているのでしょう。今まで『楽しいことしかなかった』私からしてみるとよくわからないのですけどね。

そんな悩んで苦しみながら楽しく嬉しくなるように怒ったり泣いたりする事が他人の共感を得られないほどに暴走したものを『狂気』というらしいです。

ですがこの『狂気』というものに近づけば近づく程、人生が単純化されていき、徐々に納得がいくようになるそうでして。

さて私、ドロシア・ヴァンダリズマはそんな好きな言葉から『生』を取り除いてしまった視点しか持ち合わせていないのです。

『人は試行錯誤を繰り返す問題である。』

ええ、私は人間を解決すべき問題にしかみえないのです。そんな肉の袋に詰まった問題を解きに行くのが私の仕事であり趣味だ。

「…えっと今日の運転手さんわっと。

相変わらず私より身長、10センチも高いですね。体重は0.2キロ増えてますね、昨日の夜中のカップ麺のせいでしょう。それに夜中まで起きてたんですね、目の下にクマができてますよ？

ただでさえ三毛目でデッカいせいで怖い見た目なのに更に怖いですよ？今のところは筋肉も然程衰えを感じませんので大丈夫そうですが、あまり怠惰な生活をしてますとそのうちそのスーツが着れ…」

「あーはいはい！わかりましたっての先生！」

大きな入道雲が漂う晴れた午前中、私は黒い軽自動車で大きなビル群を抜けていた。