概要
旅の老夫婦に語りかけたのは、110年を生きた函館の記憶だった。
函館・元町の坂の上に立つ旧函館区公会堂。110年以上の歳月を見つめてきた建物が、旅の途中の老夫婦に語りかける。大火からの復興に託された希望、豪商・相馬哲平の決断、皇太子を迎えた誇らしい記憶、芥川龍之介の講演に沸いた青春、そして洞爺丸台風の悲しみ。幾多の歴史を刻んだ公会堂は、令和の大修復を経て、新たな時代へと歩み始める。建物が語るのは、街の歴史だけではない。そこに生きた人々の喜びと悲しみ、そして老夫婦が歩んできた人生への温かなまなざし。函館の歴史と人の心が静かに響き合う物語。
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