概要
速くなる喜びも、離れる寂しさも、この艇にある。
同じ艇に乗れなくても、その返事を聞けるか。
東汀大学ローイング部の舵手、芦原航は大学最後の一年を迎えた。
オールを握る同期の八人を、艇尾から声で動かす。
この八人と全国へ行きたい。そのためなら、誰よりも役に立つつもりだった。
けれど練習の注文を全部聞いても、水上では思うように伝わらない。
仲間には授業も仕事もあり、艇庫で過ごせる時間も違う。
道具を運び、軽口を交わし、漕ぎ方を確かめ直す日々。
春の敗戦を越えて、八番艇は少しずつ速くなっていく。
そして夏、全国へ向けた選考で二番の席を得たのは、後輩の三枝遼だった。
親友の久世直人は、九人の艇から外れる。
再選考を求める航。しかし、直人が望むことまで代わりに決めてはいないか。
友人と乗りたい。今の艇で勝ちたい。
どちらも捨てられないまま、全国大会
東汀大学ローイング部の舵手、芦原航は大学最後の一年を迎えた。
オールを握る同期の八人を、艇尾から声で動かす。
この八人と全国へ行きたい。そのためなら、誰よりも役に立つつもりだった。
けれど練習の注文を全部聞いても、水上では思うように伝わらない。
仲間には授業も仕事もあり、艇庫で過ごせる時間も違う。
道具を運び、軽口を交わし、漕ぎ方を確かめ直す日々。
春の敗戦を越えて、八番艇は少しずつ速くなっていく。
そして夏、全国へ向けた選考で二番の席を得たのは、後輩の三枝遼だった。
親友の久世直人は、九人の艇から外れる。
再選考を求める航。しかし、直人が望むことまで代わりに決めてはいないか。
友人と乗りたい。今の艇で勝ちたい。
どちらも捨てられないまま、全国大会
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