概要
先輩を世界から隠していたのは、俺だった。
長崎、精霊流しの夜。
何十台ものスマホが泣いている女の子に向いた。けれど、どの画面にも彼女はいなかった。
その子を写せたのは、高校二年の俺、水無瀬景が持つフィルムカメラだけだった。
祖父が残した三十六枚撮りのフィルムは、これが最後の一本だ。
彼女はひとつ上の御影こはる先輩。
幼いころの毎日を母親にネットへ投稿されてきた、元・国民的子どもインフルエンサーだ。
自分の動画が消えていくのを笑って眺める先輩は、手書きの撮影同意書を差し出した。
「卒業式の日まで、わたしを撮って」
「あなた、見せない人でしょ。だから書いた」
撮った写真を誰にも見せない俺が、先輩だけの撮影者になった。
くんちの人波を歩き、路面電車で終点まで行く。冬には眼鏡橋の黄色いランタンを見上げる。
先輩と過ごす日々を、一枚ず
何十台ものスマホが泣いている女の子に向いた。けれど、どの画面にも彼女はいなかった。
その子を写せたのは、高校二年の俺、水無瀬景が持つフィルムカメラだけだった。
祖父が残した三十六枚撮りのフィルムは、これが最後の一本だ。
彼女はひとつ上の御影こはる先輩。
幼いころの毎日を母親にネットへ投稿されてきた、元・国民的子どもインフルエンサーだ。
自分の動画が消えていくのを笑って眺める先輩は、手書きの撮影同意書を差し出した。
「卒業式の日まで、わたしを撮って」
「あなた、見せない人でしょ。だから書いた」
撮った写真を誰にも見せない俺が、先輩だけの撮影者になった。
くんちの人波を歩き、路面電車で終点まで行く。冬には眼鏡橋の黄色いランタンを見上げる。
先輩と過ごす日々を、一枚ず
いつも応援ありがとうございます!
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?