概要
捨てられた夜、未来の娘が言いました。「お父様を捕まえに行きますよ」
「エルフリーダ。君との婚約は破棄する。真実の愛を見つけたんだ」
夜会の真ん中で、王太子は男爵令嬢の手を取った。拍手は起きず、笑い声だけが起きた。
屋敷に戻って泣いていると、窓が開いた。
「お母様、泣いてる暇はありませんよ。三日後、殿下はあの男爵令嬢に〈王家の首飾り〉を勝手に贈って、陛下に大目玉を食らいますから」
銀の髪、紫の目。十六歳くらいの少女は、自分を〈十六年後から来た娘〉だと言った。
「で、本題。お父様を捕まえに行きます。北のグラウエン公爵――殿下がいちばん怖がってる人」
「口をきいたこともないわ!」
三日後、本当に首飾りの件で殿下は叱られた。
未来を知っている娘と、未来をまだ知らない母。
元婚約者の〈これから〉を一つずつ先回りしながら、まだ他人の冷血公爵に、母は今日も話しかけに行く。
夜会の真ん中で、王太子は男爵令嬢の手を取った。拍手は起きず、笑い声だけが起きた。
屋敷に戻って泣いていると、窓が開いた。
「お母様、泣いてる暇はありませんよ。三日後、殿下はあの男爵令嬢に〈王家の首飾り〉を勝手に贈って、陛下に大目玉を食らいますから」
銀の髪、紫の目。十六歳くらいの少女は、自分を〈十六年後から来た娘〉だと言った。
「で、本題。お父様を捕まえに行きます。北のグラウエン公爵――殿下がいちばん怖がってる人」
「口をきいたこともないわ!」
三日後、本当に首飾りの件で殿下は叱られた。
未来を知っている娘と、未来をまだ知らない母。
元婚約者の〈これから〉を一つずつ先回りしながら、まだ他人の冷血公爵に、母は今日も話しかけに行く。
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