概要
芒(ぼう)の北の荒れ野に、人を売って食いつなぐ野盗がいた。額に「盗」の一字を刻まれ、黥狗(げいく)と蔑まれる男は、ある日、行き倒れの乞食の小僧を捕らえる。
鉱山へ売り飛ばすつもりだった。だがその小僧は、飢えているのに麦餅を小さくちぎって食べ、縛られても背筋を伸ばし、自分を縛った人買いに礼を言った。
小僧の正体は、北の国・朔(さく)の政変から逃れてきた公女、雍琬珠(ようえんじゅ)。「兼愛」を掲げる革命勢力・褐衣(かつい)は、旧き王家の血を絶やすため、十三歳の少女の首に黄金を懸けていた。
「南の国境、鶏鳴関(けいめいかん)まで送り届けよ。さすれば生涯、そなたを飢えさせず、凍えさせぬ」
字の読めない男は、読めない約束の割符を懐に、少女と父娘を装って南へ向かう。善良な村人たちが処刑を祭りのよ
鉱山へ売り飛ばすつもりだった。だがその小僧は、飢えているのに麦餅を小さくちぎって食べ、縛られても背筋を伸ばし、自分を縛った人買いに礼を言った。
小僧の正体は、北の国・朔(さく)の政変から逃れてきた公女、雍琬珠(ようえんじゅ)。「兼愛」を掲げる革命勢力・褐衣(かつい)は、旧き王家の血を絶やすため、十三歳の少女の首に黄金を懸けていた。
「南の国境、鶏鳴関(けいめいかん)まで送り届けよ。さすれば生涯、そなたを飢えさせず、凍えさせぬ」
字の読めない男は、読めない約束の割符を懐に、少女と父娘を装って南へ向かう。善良な村人たちが処刑を祭りのよ
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?