概要
無理難題? いや、山じゃよくある獲物だ
「伝説の五宝を持ってきたら、結婚してあげる」
十年ぶりに会った王女アデリーネは、玉座の横でそう言って、ぷいと顔を背けた。竜の逆鱗。火喰い鳥の尾羽。海神の真珠。月光石。氷狼王の毛皮。居並ぶ求婚者の貴族たちが笑う。どれも伝説で、誰も見たことがない。
「わかった」
俺は頷いて、山へ帰った。三週間後、王宮の門の前には、荷車いっぱいの竜の鱗と、鱗の持ち主の子竜が並んでいる。
「一枚でいいって言われたけど、どれが逆鱗か分からなかったから、全部もらってきた」
子竜のフーカは人の姿になって俺の背中によじ登り、「このひと、わたしのごはん係」と言い張る。王女は真っ赤になって叫んだ。
「な、なんで本当に持ってくるのよ!」
偽物の宝を買い集める貴族たちが青ざめる横で、俺はもう、次の獲物の話を聞いている。残りは、あと四つだ。
十年ぶりに会った王女アデリーネは、玉座の横でそう言って、ぷいと顔を背けた。竜の逆鱗。火喰い鳥の尾羽。海神の真珠。月光石。氷狼王の毛皮。居並ぶ求婚者の貴族たちが笑う。どれも伝説で、誰も見たことがない。
「わかった」
俺は頷いて、山へ帰った。三週間後、王宮の門の前には、荷車いっぱいの竜の鱗と、鱗の持ち主の子竜が並んでいる。
「一枚でいいって言われたけど、どれが逆鱗か分からなかったから、全部もらってきた」
子竜のフーカは人の姿になって俺の背中によじ登り、「このひと、わたしのごはん係」と言い張る。王女は真っ赤になって叫んだ。
「な、なんで本当に持ってくるのよ!」
偽物の宝を買い集める貴族たちが青ざめる横で、俺はもう、次の獲物の話を聞いている。残りは、あと四つだ。
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