エレベーターの怪談を、閉じ込められた人ではなく、通報を受ける警備員の側から書いているのがいいです。インターホン越しの、あの……まだですか?という丁寧すぎる声。警備員は途中まで、モニターで丸見えなんだからイタズラだろうと怒っている。読者もそれに乗せられるんですよね。だからこそ最後に、その見えていたものの意味がひっくり返る。機械はいつでも正しいです、というキャッチコピーが読後に効いてきます。短いのに、設定とオチがきれいに噛み合った一編でした。
エレベーターの中に閉じ込められた。そんな訴えの声が守衛室に届く。エレベーターの怪異、あの閉塞空間が生み出した、切迫する、しかし良く語られる怪奇。しかし、本作のこの異変は――ひと味ちがうのです。
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