概要
皆が私を「悪女」と呼んだ。でも、私が犯した唯一の罪は――。
「光源氏の敵」「桐壺更衣をいじめた希代の悪女」――。歴史にそう名高い弘徽殿女御だが、それはすべて悲しい誤解だった。桐壺帝を深く愛しながらも、身分の低い更衣ばかりが寵愛される宮廷。心を痛め、何もできぬまま時は流れ、更衣も帝も世を去っていく。我が子(朱雀帝)の即位後も、世間の誤解と孤独に苦しみ続けた彼女が、病の床で最後に願ったこととは――。帝を愛し、拒絶され続けた生涯。2,000文字で描かれる、平安一哀しい「悪女」の真実の祈り。
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