概要
存在しない処女の血を、私は夜通し調合した。彼に、破らせるために。
【シリーズ第三部。単体でも読めますが、第一・二部を先に読むと倍の深さで楽しめます】
二十九歳、会社員。同僚の彼と私は、週末になると女を演じ合う。渚、岬、明美──これまで私が着てきた女は、すべて彼が与えたものだった。
だから私は、初めて自分で女を作った。
二十歳の女子大生「雪絵」。地方から上京したばかりで、誰にも名前を呼ばれたことがなく、何も知らない少女。胸元の折れた奥歯を外し、白いコットンを着て、私は江ノ電に乗る。窓際には、一歳年上の先輩「しずか」を演じる彼が、すでに座っていた。
海辺で交わした契約はひとつ。雪絵の初めてを、彼の演じる同級生「雄貴」に奪わせること。そのために私は、夜通し「存在しない処女の血」を調合する。極薄の膜と血糊で作った信管を、衣服の下に仕込んで。
鎌倉の砂浜。
二十九歳、会社員。同僚の彼と私は、週末になると女を演じ合う。渚、岬、明美──これまで私が着てきた女は、すべて彼が与えたものだった。
だから私は、初めて自分で女を作った。
二十歳の女子大生「雪絵」。地方から上京したばかりで、誰にも名前を呼ばれたことがなく、何も知らない少女。胸元の折れた奥歯を外し、白いコットンを着て、私は江ノ電に乗る。窓際には、一歳年上の先輩「しずか」を演じる彼が、すでに座っていた。
海辺で交わした契約はひとつ。雪絵の初めてを、彼の演じる同級生「雄貴」に奪わせること。そのために私は、夜通し「存在しない処女の血」を調合する。極薄の膜と血糊で作った信管を、衣服の下に仕込んで。
鎌倉の砂浜。
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