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「第一巻 中学校編「ちはっ、失礼します」 Ⅲ年 「定期戦Ⅲ」 (2)任せた」について

 何事も「競う」ときには、「出し抜く」という姿勢がつきものです。
 難しいのは、それが許容の範囲内か否かということ。

 「フライング」や「規範外」だと考えられると、当然糾弾されます。


 だから、皆「グレーゾーン」を突くわけです。
 しかし、ここで難しいというか、ヤヤコシイのは、「グレーゾーン」だと、猶更のこと「こじれる」ということ。
 なぜ「グレーゾーン」は「真っ黒」よりもこじれるのか。
 それは「悔しい」からでしょう。
 「真っ黒」ならば「罰する」ことが出来ますから、ある程度最初から溜飲は下がっています。
 しかし「グレーゾーン」だと「セーフ」とされ、「先を越された」悔しさだけが残る。

 「グレーゾーン」を突く時の心構えとしては、後発組が出てきたときに「どうぞ」と言えること。
 これを「私だけのもの」としてしまうと、火に油を注ぎまくりになります。
 そして、可能であればそのグレーゾーンをきっかけにして「さらに良い」ものを他者に与えられること。
 「ちょっと抜け駆けしましたけれど、そんなことは忘れられるくらい、みんな良い思いをしたでしょう?」と。

 中学生で、そこまで全部流れを考えてお膳立て出来れば、将来はブローカーか詐欺師なわけですが。
 駿河君が、そうであったかどうかは、これまでの彼の言動を見ていればお分かりの通り、否です。(笑)
 「落としどころ」は考えてきましたが、多分に周囲の「流れ」を利用して舵を切っています。
 ただ、これは本件に関する彼の唯一の「芯」があったからこそ出来たことと言えるわけですが、その辺りの種明かしは、また後程のお話で出てきます。

 ※添付画像は、実在の人物や写真に基づくものではありません。創作物です。
 今回は、各校の団長と、一中の渉外責任者「デン」。

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