天川様から、「花は、咲う」にレビュー本文をいただけました。
すごくうれしいのに、泣いております。
きちんと読んで内容を汲み取ってくださったのが、よくわかる文章なので。
https://kakuyomu.jp/works/16818093073805452885/reviews/16818093075396064171天川様(ネタバレあり)
https://kakuyomu.jp/works/16818093073805452885花は、咲う
公開してまだ1ヶ月経ってないんだなぁ。
もっとずっと前に書いた気がします。
前から売春島をモチーフにした作品を書きたいと思っていたからかも。
いい機会なので、いつかしようと思っていた裏話を。
地域名を言ってしまうと、ご存じの方もいらっしゃると思いますが
三重県志摩市の渡鹿野島(わたかのじま)のことです。
あ、もちろんお話は私が考えたフィクションですからね。
高度経済成長から景気が良くなった頃が最盛期だったと思います。
なので、時代背景として1988~1989年を選択しました。
バブル景気で日本が盛り上がっていた時です。
渡鹿野島は風待ち港として機能していて、ホテルや旅館が立ち並び、
それはもう大賑わいだったそうです。
社員旅行で来た男性が、あとから一人で来るなんてこともあったとか。
あと、係留している船の中で船の従業員を相手する子もいたと、
ネット記事で読みました。女の子たちの需要はすごくあったんですね。
でもバブル経済が弾けてしまって、需要もだんだん減っていった。
社員旅行もあまり行われなくなった。
風営法も施行された。
そんな背景で、「売春島」は衰退していきました。
トドメは2016年に行われた伊勢志摩サミットだったみたいです。
そんな島は各国の首脳が訪れる地域にふさわしくないと、
偉い人は考えたのでしょう。
光があれば闇もあるのが当然だと、私は思うのですが。
女の子たちは、いろいろなところから連れられて来たようです。
家族に売られてきた子もいれば、ブローカーに騙されて放り込まれた子も。
置屋ではまあまあ大切に扱われていたようですが、それは「商品」だから。
何となく想像付きますよね。
そんな渡鹿野島が最近になってリゾートへの変貌を企画しているとのことで、
手越祐也が抜ける前のNEWSがロケに行ったりしてて、びっくりしました。
(たまたまその番組見てたんです)
今は、島の形から「ハートアイランド」と言われているらしいです。
いいことだと思います。
廃墟になった旅館やホテルなどの建物しか残っていない、
なんてことにならないように、リフレッシュも大事ですよね。
でも、私はもやもやしました。
売春島だったという事実をなかったことにしてほしくないと思いました。
どれだけの女の子たちが泣いて、死んでいったのか。
「買ったんだから」とお客さんにひどい目に遭わされた子もいたと思います。
性病で苦しんだ子もいたと思います。
島から出してもらえなかっただろうから、
病院なんて行けなかったんじゃないでしょうか。
女の子たちの人権?何それ?って感じだったのかな、と。
あくまでも「商品」なので。
https://www.sankei.com/article/20211101-CRFTIG3FFNJFNGPHFQ7SAIQUSU/「売春島」と呼ばれた島の歴史が変わった日(産経新聞)
まあでも↑この記事なんかを見ていると、
自治体も完全に「なかったこと」にするつもりはないみたいですね。
(上記のNEWSがロケに行った番組でも、一応少し「売春島」について触れていました)
ただ、これからどんどん「売春島」の記憶は人々の中から薄れていくわけです。
汚いものに蓋をして隠すのも必要な時はあると思います。
わかってはいるんですけどねー、フィーチャーしたかったんです。
なのでいろんなことを調べて、慎重に書きました。
前述のとおりフィクションではあるんですが……、
例えば、主人公が家に電話するというエピソードは
実際にあったみたいなんですよね。他にもいろいろ。
そういうのが、参加した自主企画のラーメンに
うまいことマッチしてくれたと思ってます。
ありがとう、ラーメン。
ラーメンにだけじゃなくて、読んでくださった方々と
モチーフになってくれた女の子たちにも、最大の感謝を。
ありがとうございました。