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読描徒然 #27 【&一凛咲きのブーケ よもやま話】

 こんばんは。週平均の歩数が2,000歩を切りそうなユキです。歩かないにも程がある。
 散歩が上手いこと日課になるように、朝型の生活を心がけたいですね。(明日から)

 執筆の方は、そうか……浮気か——うーん……修羅場? みたいな感じです。さて、初香さんからはどう映るでしょう。本日朝公開します。




【一凛咲きのブーケ よもやま話】

 今回は舞台設定とストーリーに関するお話です。

 ——どうして描き始めたのか。
 青春物語が書きたいなと思いました。思い描いた主役は、そのままいちかです。天真爛漫でクリエイティブで、写真好き。大人として割と成熟してしまっている。老若男女問わず友達になれるけど、人間関係にはあっさりとしているというか。劇中でもそうですが、現実の高校にいたら、まず浮いちゃう感じの。その割に、恋愛にはやや鈍感。彼女が高校生活の中でたくさんの人と出会い、ちょっとした事件を解決したり、持ち前の明るさで友人を救ったり、恋をしてみたりするような、どたばた青春活劇みたいなのを考えていました。シケンの子達、特に櫻井くんと茂くんはそんなノリで誕生したんです。

 ——共学化。
 きらら系の百合なんかだと、男性性を一切排している作品もあります。ただ初香の手腕を表現すると同時に、物語に男性という選択肢を与えるものとして、共学に。あと、いちかにちょっかいを出す男の子を用意しました。
 はい。東萌黄くんです笑
 最終的に萌黄くんは女の子として登場するのですが、いちかは男女に対してフラットです。だからこそ、女の子を好きになっても揺らぐことはないでしょう。

 ——テーマ性の問題。
 青春ものが描きたかったんです。百合で。
 学園百合を考えるにあたり、三種類のテーマを考えました。一つ目は、女の子が女の子に恋をすることへの葛藤や軋轢を描いたいわゆる『クラシック百合』。二つ目は、恋愛と友情の境目をテーマにした『片想い百合』。三つ目は……ふふふ。
 最終的には三つとも合わせた形で、今の『一凛咲きのブーケ』ができています。ただ、いずれもカップルに閉じた問題解決だけじゃなく、たくさんのキャラクターを登場させる予定でした。様々な家庭環境があり、様々な考え方生き方を踏まえ、助け合えるような存在として。詩織や日和、シケンのみんなにも期待していてください。

 ——凛咲の誕生。
 いちかが個人的に興味を持つ相手として、人が好きであることは第一条件だと思いました。いちかの根底であるラブに理屈抜きで共感できること。あとはもう彼女の突飛さに感性でついて行けることですかね。このあたりから、安直ですがその子も芸術家路線でいこうと思っていました。お互いに居心地がよくて何となく一緒にいるうちに、多くを語らなくても伝わる親友という関係になっていく。そこには計算も面倒な続きもないし、尊敬や崇拝のような上下関係もない。女の子らしいスキンシップはありつつも、精神的にはいわゆる男同士の友情に近い感じですかね。
 いちかを振り向かせることができる人がいるとしたら、それはどんな人だろう。そんなことを考えているうちに、凛咲が生まれ、いちかの過去が出来上がりました。

 ——物語の主となる視点を与える存在、凛咲。
 凛咲は絵を描くことが好きな女の子です。その根っこには二つの想いがあって、一つは、描いて表現することが楽しいという一次的な欲求。そして二つ目に、複雑な家庭環境に育った彼女にとって、絵との出会いは大切なものとなっています。自分を愛してくれた家族の笑顔が見たいからこそ、幼い彼女は筆を走らせました。

 ——凛咲と初香の出会い
 ですが、そんな原体験からのモチベーションも、彼女の成長とともに変わっていってしまいます。本当は絵を一番に褒めてもらいたかった父母との不和、家族を失い自分を引き取ってくれた伯父への引け目、周囲の評価や期待に対するプレッシャーとそれを裏切って否定されることを恐れる自意識。
 そんなとき、自分の絵を見て感動し、その気持ちを言葉でハッキリと伝えてくれる初香に出会うんです。初香は思ったことをすぐに口にするし、いつでも即断即決。元女子校に流れる風土を改革しようとしていた彼女は、特に先輩の女子からさぞかし嫌われていたでしょうね。けれど凛咲は、自分にない強烈な実行力を持った彼女に惹かれていきます。初香との出会いという鮮烈な印象をもとに絵を描くのですが、凛咲にとっては久しぶりにしがらみから解放された瞬間でした。

 ——転機。
 そして訪れる転機、その絵が都のコンクールで金賞に輝きます。初香は我が事のように喜んでくれたし、普通ならとても光栄で励みになるはずの出来事なのに、それがかえって凛咲を縛り付けることになってしまう。初香に対する理想が高くて、しかも初香が理想のレベルを超えていってしまうから、自分も彼女に見合うようにならなければと思いつめてしまった。父の心無い一言と共に大きなしがらみになってしまった。
 やっとこさ、これが物語のスタート地点です。



 今日はここまで。語りすぎましたね笑
 それでは。おやすみなさいませ。

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