「生まれてきて、良かったんだろうか」
そう悩んだ事はないだろうか?
自己肯定感と言われる、人生を左右する大切な感情だ。
あらすじで躊躇いを感じた方も居るだろう。重い展開は多く、読みながらずしりと心に重たいものが伸し掛かる。それでもなお、先を読みたいと思える魅力がある。
一番感じるのは、心情や情景の描写がとても丁寧で、心惹かれる事だろう。まるで文章から彼女達の心の色が浮かぶ様で、重いテーマなのにするりと自分の心に入り込んでくる。共感し、見惚れ、感情移入してしまう。
物語は少女と少年の関係を中心に語られる。幼い頃の氷菓の思い出から、現在、そして未来へ。幼き頃の決意は変わらず、しかし二人の関係は少しずつ変わっていく。単純な恋愛で括られるものでは無いだろう。だが救いはあるとそう信じたい。
どうか幸せになりますように。
自分を認めれますように。
そう願いながら、彼女達の成長をただ見守りたい。
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