その人物がどういう人生を歩んできたのか、どういう心情だったのか、深堀りされる悪役もいれば、されない悪役もいます。
深堀りされない悪役を見ると、このキャラはどんな環境で生まれ育ったんだろう、なんてよく考えてしまいます。
私だけかもしれませんが……。
今回、この『鏡や、鏡、この世で一番美しいのはだれ?』を執筆したのも、白雪姫に出てくる悪役――王妃の過去や心理が気になったからです。
描かれていないだけで、どんなキャラクターにもその人が主人公の物語があるはずで、悪役とされているキャラも、そのキャラの視点で物語を見てみると、その人物についてそれまでとは違った面が見えてくるのではないかと思います。
実際、この小説を執筆した後で、私は王妃に対して抱いていたイメージがだいぶ変わりました。
といっても、この小説は王妃にどういう過去があったとかどういう心境だったとか、いろいろ私の勝手な想像で書いたものなんですけどね。
ということで、以上のことを踏まえたうえで、この作品を読んでいただけたらとても嬉しいです。