引き続きネタバレ全開、自分語り全開でお届けします。そういったものを許容できる方のみどうぞ。
今回は残りの聖究騎士など。
★ナヨラ・ユークリー
ヒウィラの相手役。
4章ではニーオに嵌められて七転八倒している間に事態が終結してしまい、初陣の7章はハチャメチャに浮かれたヒウィラ相手とつくづく付いていない子。
プロット段階では既婚者とか設定があったような気がしましたが、活かせる流れが思いつかず没に。結果的に最終章の敵の中では一番薄味になってしまった気がして申し訳ない感じです。あの状態のヒウィラに食らいついて行ける時点でかなり上澄み、なんだけどなぁ……。
★ルーウィーシャニト・ジェセウ
かなり舞台装置。
メール=ブラウに匹敵する才能ガールであり、《信業》を魔術と組み合わせて睡眠中ですら維持できるという化物。聖究騎士が相手でも、一対一で《人柱臥処》でなら負けることはありえない……はずが、わんさか凸ってきた上にテイム(という名の脅迫)された《真龍》たちに邪魔された人。
最終章の事変を明確に生存した唯一の聖究騎士なこともあって、エンディングのあとも苦労が絶えないことでしょう。合掌。
そういえば割と年長者で、ヴェネロンとディレヒトの間くらい。《冥窟》と一体化することで老化の抑制をしているとか今考えました(適当)。
……と思っていたのは過去の話。この執筆後記を書いたあとに「《光背》のユヴォーシュ ~後日談~」で出番を勝ち取り、多少なり掘り下げてみました。如何だったでしょうか。
★ヴェネロン・バルデラックス
老骨。老いてなお盛ん。というか狂人。
ニーオについただけあってかなりイッちゃってる人。自分の教えが正しかったことを証明したくて、教え子たちが自分を一殺できるかどうかを最終試験として出した……という流れ、果たして伝わりましたでしょうか。
ユヴォーシュに関しては別に教え子というわけでもないので、特に興味もなかった模様。とはいえ一瞥して、彼に魂がないことを何となく看破しているあたり流石は歴戦。もう十年早かったらもっと大暴れしていたハズです。今で良かった。
ディレヒトが最後にやった《輝きの騎士》による身代わりは彼の《神血励起》を参考にしたものです。師弟なこともあって、割と戦闘スタイルが似通っているふたり。
★ガムラス・ガグス・ギルフォルト(というか機神ミオト)
前の劫からの因縁の象徴。
筆者の中に流れる機械のオイルが目覚めてしまった結果、《九界》に爆誕した超巨大ロボット。とそのパイロット……という名の収監者。たぶん千年近い年月をあそこで過ごしたガムラスは本作一不幸かも知れない。あと彼の二つ名は《指揮者》じゃない何か別のが良かったかもな、と思いつつ結局そのまま通してしまいました。思いついたら今からでも変えるかも。同じことがロジェスの二つ名でも起きていて、《割断》よりも《断絶》の方がよかったかもなあ、でもガンゴランゼで《絶滅》使っちゃったしなあ、みたいなことを悩みながら書いてたりしました。今では「割る」が入ってるからそれでいいかと納得しています。
機神ミオト、占神シナンシス、不死身のカストラス。そして日常神ハシェントと仲間たち。彼らの旅は最終的に神に奉じられるという終わりでしたが、それが良いものだったのか悪いものだったのか、それは彼らにしか分からないことです。
★メイアウィス・ジオスティレート、ジュウェヌ・クッカプーケ
新たな聖究騎士たち。
彼女と彼については、出しておきながらほとんど関わってこないという形で、《人界》が今後も続いていく象徴としました。なにせ9人中5人が死んでいて、1名は追放、2名は生死不明と来ているから信庁はそれはもうガッタガタです。それでもユヴォーシュが勝てば続いていく、続いてしまうからにはやっぱり人は必要で、集めるにしても(最多で)ルーウィーシャニトひとりでは儘ならない。
結果としてあの二人が、でこぼこながらも頑張って信庁を再建する礎となるはずです。……というのを、ユヴォーシュ視点からでは書き切れなかった。そこは悔いです。申し訳ない。
メイアウィスはギリギリまでユヴィーシェという名前にすることも考えましたが、止めました。ちなみに彼女が次の神聖騎士筆頭になるはずです。
★ガンゴランゼ・ヴィーチャナ
2章ボス。
ユヴォーシュと比較させるために登場したと言っても過言ではない彼。並の神聖騎士よりは格上の彼でも、ユヴォーシュとやり合えばああもあっけなく負けるのだ、という噛ませ犬であり、同時に《信業遣い》になる過程を描写することでユヴォーシュのおかしさを醸し出させる役割も担っていました。うまく行っているといいんですが。いいかいユヴォーシュ、ふつうは神サマから直接異能をもらったりしないんだよ。いくらギフトなんて名前だからって、その時点でおかしいと思うべきなんだよ。
2章ラストで昏睡状態に陥って、その後6章まで目覚めないというロングパスをかました彼ですが、結末については割と想定外でした。まさか半ば自力で戻って来るとは思わなんだ。本編後も存命のはずですし、元気にやってくれていることを祈るばかりです。
ちなみにガンゴランゼから聖讐隊へ矢印は出ていませんが、聖讐隊からガンゴランゼへは割と出ています。
長くなってしまったので一旦このあたりで。
次回は魔王や妖精王、《真龍》などになるかと。