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諦めんなよ……。諦めんなお前!

 諦めんなよ……。諦めんなお前! どうしてそこで辞めるんだ、そこで! もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメダメ諦めたら! 周りのこと思えよ、応援してる人たちのこと思ってみろって! あともうちょっとの所なんだから! 俺だってこのマイナス10度の中、シジミが獲れる(トゥルル)って頑張ってんだよ! 絶対やってみろ! 必ず目標達成できる! だからこそ、Never Give Up!

 昔は『おもしろ動画』として見ていたのに、いつのまにか『心に響く動画』に見えてきました。

 どうも皆さん。お久しぶりです。最近の嫌なニュースでテンションがゴリ下がりしてる最中です。

 作家として売れなかったら、パクられたとか被害妄想で大暴れしちゃう「青葉真司・無敵の人コース」。
 作家として売れちゃったら、ドラマ化やアニメ化の際に意見した結果「原作者、うざがられコース」。

 詰んでるやないか!

 というわけで、言いたいことを一つ一つ整理していこうと思います。まずは青葉真司くん(45)。放課後、職員室まで来なさい。

 まずね青葉くん。君は自分の作品がパクられたと言うがね、それはないと思うよ。

 普通に考えたら、パクりたくなるほどの作品とは面白い作品だ。会社側から考えればパクるんじゃなく、その作家を味方に引き入れて、たくさん面白い作品を書かせるのが妥当だろう。長期的な利益が見込めるからね。

 仮に百歩、いや千歩譲って本当にパクられたとしても、怒るのではなく、誇るのが正解だ。それだけ君の作品が優れていたという証明じゃないか。すぐに新作を書いて他に応募すればよかったんだ。どうしようもない被害妄想で、36人も死なせやがって……!

 君が『火』をつけなくちゃいけなかったのは、人様のスタジオなんかじゃない! 『諦めない創作意欲』だったんじゃないのか!!

 失礼。少々熱が入ってしました。彼に死刑判決が下されたことに異論はありません。

 最後に彼が天国行きか、地獄行きか占い師の先生に聞いてみましょう。
 先生、ズバリお願いします。

「アンタ、地獄に落ちるわよッッッ!」

 地獄に落ちるそうです。では次。

                   *

 続いて『ドラマ化による、漫画原作の改変問題』です。

 昨今、漫画原作のドラマ化に至って原作者がないがしろにされる場合があるそうですね。その結果、原作者が自殺してしまったと聞きました。

 個人的に、テレビドラマとは影響力の大きい同人作品(薄い本)のようなものだと思っています。

 コミケの同人誌(薄い本)は、一部の人が隠れて読む。影響力が小さいから黙認。
 テレビの同人誌(ドラマ)は、大勢の人がそれを見る。影響力が大きいから黙ってられない。

 エロ同人誌が無料で全国の家庭に配布されているようなもの。原作を知らず同人作品から入った人は勘違いするだろう。

「何これエロ! たまに広告で見かけるアレって、エロ漫画のキャラだったの!」
「違う! 違う! 違う! それ二次創作だから! 原作とまったく違うから!」 

 全国ネットで誤解されるような形で広められたら困る。

 ただ脚本家側としたら時間も話数も決められてるし、原作通りにやるにも限界があるということでしょうか。

 噂では「ドラマから漫画原作を追放するべき!」と言ってる脚本家の人がいると聞きました。原作があると脚本家のレベルが上がらず、実力が育たないからだそうです。

 いや、むしろ新人脚本家ほど原作があった方がいいんじゃないのかと思いました。

 売れている原作には、面白さの秘密があるはずです。少なくとも原作通りなら、改変してつまらなくなるリスクを回避できるのでは?

 脚本家「原作者さん。どうすれば面白いシナリオが書けますか?」
 原作者「まずは原作通りに書きなさい。それが面白いシナリオだ」
 脚本家「わかりました! 原作通りに書きます!」

 新人脚本家は原作通りに書くだけで、少なくとも及第点は取れる。オリジナリティを出したいなら作家に転職するか、キャリアを積み上げてからオリジナルを書かせてくれと交渉すればいい。

 脚本家「原作通りに書きました」
 原作者「うむ、原作通りにやっているな。よしよし」
 ファン「原作のあのシーンが現実にあるみたい! スゴイスゴイ!」
 TV局「イイ感じで批判もないし、及第点は取れてるよ!」

 こうして新人脚本家は原作通りに書いただけなのに、原作者に好かれ、ファンにも喜ばれ、TV局の人からも過大評価される。そして次も原作つきでキャリアを積み重ね、数年後にオリジナルドラマの脚本を担当させてもらえるようになりました。めでたしめでたし──。

 これはちょっと甘く考えすぎですかね。現実はもっと厳しいと思いますが、原作改変してボロクソ言われるよりはマシではないでしょうか。

 脚本家「主人公の性別を変えて原作を面白くしました! 斬新でしょ!」
 原作者「原作通りじゃない! ふざけるな!」
 ファン「おもんな」
 TV局「めちゃくちゃ批判されてる……アイツ才能ねぇな」

 こうして新人脚本家は、身勝手な改変により原作者とファンたちに激しく非難された。TV局の人からも才能がないと烙印を押され、キャリアも絶望的。オリジナルドラマの脚本なんて夢のまた夢に──。

 ……というバッドエンドになると思うので、経験が浅い人ほど原作通りに書いた方が安全ではないでしょうか。実際は、ものすごい人たらしであれば出世できるのかもしれませんが……。

 何にしても、0から1を生み出す側の人間としては、原作者が悲しむことはなくなってほしいと思うばかりです。

 最後に原作者を自殺に追いやったテレビ局や脚本家等の関係者が天国行きか、地獄行きか占い師の先生に聞いてみましょう。
 先生、ズバリお願いします。

「アンタ、地獄に落ちるわよッッッ!」

 地獄に落ちるそうです。

                   *

 以上、本編を終了いたします。

 ここから先は、おまけとなります。
 松岡修造さんに「諦めんなお前!」と言われたので続きを書きました。お時間がある方だけ、どうぞ──。

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