• 現代ファンタジー

『形ある夢が』 概略(第四話『輔翼ある日々が』)

 夢は『記憶の編集』と『夢ノ国の編集』を合わせた活動のことである。さらに、記憶の編集は目的の違いで二種類に分類できる。
 一つ目の目的、後処理。夢ノ国には忘れさせたい事があった。例えば、夢ノ国の存在を現実に残したくなかった。
 後処理は云わば『忘れさせる』活動である。対し、『覚えさせる』活動は夢ノ国の編集である。
 二つ目の目的、下準備。覚えさせやすくするための活動。夢ノ国は客の記憶に制限を掛けている。客の記憶を曖昧にしている。
 これにより、客は夢ノ国で起こった事を受け入れやすくなっていた。夢ノ国での記憶が現実での記憶を塗り替え始めていた。自分が自分でなくなることに、違和感を抱かなくなっていた。

 鬼怒川晃《キヌガワヒカル》は槌ノ子乃文《ツチノコノブン》に連れられ、城へ入っていった。
 辛見伖《ツラミクラ》は羽田共輔《ハネダキョウスケ》と夢ノ国の中央で御留守番。
 八草辷《ハッソウススム》は姫から意見を求められていた。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する