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魔王、帰還す〜咎人の悔悛

ep36 我々が魔王を生み出してしまった
宇宙艦マルニーとルーアン。
フランスの地名ですね! そのままです。地名の固有名詞はフランスかイギリスの古い呼称、またはそのアレンジです。

ep37 咎人の悔悛
ピーターのモデルはピエール・コーションという司教です。
パリから追放された彼は当時イギリス寄りの立場にあったブルゴーニュ公の元、リジュー司教に出世しました。
ヘンリー六世の戴冠式にも出席しています。
ジャンヌ・ダルクの異端審問で異端認定した人物で、映画などではよく悪役にされます。

実は彼がジャンヌダルクの罪状を洗い出す際、最後まで彼女を教会に従い、延命させようと奔走したことはあまり知られていません。
改心させようと必死で、ジャンヌの火刑をする際、彼女を改心させようとするピエール・コーションに火刑を見た勝った市民!は怒って石を投げられたというエピソードもあります。
また裁判もイギリスの圧力のさなか、できるだけ公平になるよう心がけたともいわれています。
結局ジャンヌはイングランドに世俗裁判を委ねることにしましたが、イギリス側は裁判せずにブリコーニュ領地ルーアンの地でイギリス兵によって火刑に処されました。
「司教、あなたが約束を守らないせいで私が死ぬのです」とジャンヌが直接伝えたという逸話もあります。
またピエールがイギリス兵に「上手くいきましたよ。少しは嬉しそうな顔をしてくださいよ。一件落着です」」といった逸話もあります。

とにかくイメージが悪かった司教ですが、自分が小説の修業時代?コバルト作家のお師匠様である吉田縁先生に「ピエール・コーションはただの悪役ではなく、人間味溢れて悪徳でも冷酷でもなかった。調べてみなさい」
といわれたことがきっかけです。

この作品ではあくまでモチーフではありますが、ピエール・コーションは司教であり、政争に明け暮れた人物であり、政治と信仰の狭間で葛藤した部分が垣間見える面白い人物です。

この小説が最初一万字程度だったプロットも、そのまま膨れ上がったのは百年戦争モチーフにしたからでしょうね。

アガートラムようやく出番…… 詳しくは次回!

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