日本SF大賞のエントリーが終わりました。今回も結構たくさんエントリーがあったので大変ありがたいことでありました。今年の雑感としては、まずオンライン短編SF掲載プロジェクト「Kaguya Planet」さんへのエントリーが目立ったなあというのが一つ。西崎憲さんの数々のお仕事とともに新しいSFというか文芸の流れを作っていきそうとかすごい期待を集めているのを感じました。来年は樋口〈異常論文〉恭介さんがそこに入ってきますか、というかすでに「SFプロトタイピング」関連の企画のエントリーも目立っておりましたね。
こういった活動を見ていて思うのは、みなさん収益性というか、持続可能性というか、そういうことをとても強く意識されているように思えるということで、それは違う言葉で言えば、社会の中でどうやって居場所を確保するか、それで社会全体をどう動かすか、みたいな意識なんだろうと思います。おそらくSF大賞主催の日本SF作家クラブの『ポストコロナのSF』や清水建設さんとのコラボ「建設的な未来」のような企画もそういう流れに棹差すもので、どちらも楽しそうではあるけれど、どこか背水の陣のような危機感も感じさせてくれるのが興味深いところです。