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「八咫烏」と共通点⁈―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「五」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「五 翠令、典侍に戸惑う」を投稿しました!https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860702426786

錦濤の姫宮は、内裏の後宮の中でも「昭陽舎」という建物で過ごすことになります。

史実でも平安京の内裏の七殿五舎の一つです。
現在は住宅地の中に跡地を示す看板があるのみです(写真を掲載しておきます)。

Wikipediaの「東宮御所」の項目に「東宮御所には古くは内裏内の昭陽舎(梨壺)を充てていた」との記述がありますし、その「昭陽舎」の項目にも「円融天皇が東宮時代に居住したとの記録が残り(『日本紀略』)、その後東宮敦良親王(のちの後朱雀天皇)の頃東宮御所として定着した」という記述があります。

東宮が昭陽舎以外の建物を東宮御所として使う事例もあったようですが、私の小説ではとりあえずWikipediaの記述によって昭陽舎を東宮御所とすることにしました。

その上で書き進めていくうち、終盤にその設定が活かされることになりました。
第三部で、ある登場人物が、後宮の東南の隅にある「昭陽舎」から最も離れた後宮の西北の隅の「襲芳舎」を居場所に選ぶという展開に繋がっています。

昭陽舎は、梨の木が植えられていたので梨壺とも呼ばれます。
私の小説でも、東宮御所に植わっていた梨の木から、後宮を取り仕切る女官の典侍が「梨の典侍」との呼び名を頂戴したということになっています。

プロの方が書かれた人気の平安ファンタジー小説に、あの「八咫烏シリーズ」がありますが、この阿部智里さんの小説でも、若宮(日嗣の御子)の住まいを「招陽宮」としていらっしゃいますね。おそらく昭陽舎が東宮御所として使われることが多かったことを踏まえて設定されたのではないかと思います。
「昭」と「招」とで字が違いますが、「招」として「陽を招く」とすると語感が一層ファンタジックになりますね! さすがプロは一ひねりされているなあ……と感心しております。

さて拙作での「梨の典侍」。「悪役令嬢」ならぬ「悪役老婆」っぽい登場の仕方をしておりますが、悪い人じゃないですw
終盤までちょこちょこ登場する女性です。

これからもお楽しみいただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

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