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大内裏には地図がある!―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「六」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「六 翠令、竹の宮の姫君の話を聞く」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860703161022

翠令が佳卓のいる左近衛府に出向きます。

ここで大内裏図を参考に挙げておきます。
文末の写真をご覧くださいませ。

ネットでも「大内裏図」で検索すれば山ほど出てきますし、いろんな文献で見かけるものです。

私の写真は、私が資料として購入した「知っ得 後宮の全て」(國文学編集部)に掲載されているものを撮影したものです。このカクヨムの近況ノートに写真を載せても著作権は大丈夫なんじゃないかと思っていますが……問題がありましたらご指摘ください。すぐに対処します。

この大内裏図でも明らかなように、内裏は大内裏の中心より左(東)にありましたので、左近衛府の方が右近衛府よりずっと近いです。
ですから、私の小説でも翠令は左近衛府に所属することになっています。で、「あの」佳卓が上官です。

私は京都市内に住んでいますので、昔の大内裏跡にも行ってみました。フツーの住宅街です。昭陽舎や承明門などの跡には石碑や看板がありますが、左近衛府は残念ながらありません。

ただ、昔の大内裏図と今の市街地を重ねている地図を頼りに「ここが左近衛府だろう」という辺りを歩いてみました。(私が持っているのは京都市生涯学習振興財団の「平安京図絵」です)。
昭陽舎と左近衛府は楽々歩いて行ける距離です。

GoogleMAPでも大体徒歩5分くらいです。
左近衛府の東南角が現在の「大宮出水」(大宮通りと出水通の交差するとこ)だとし、平安京の内裏の中の綾綺殿跡にはその名も「綾綺殿」というカフェがありますので、この2点間のルートを求めました。
(道路が当時と違いますから厳密には違うでしょうけど、私が歩いてみた実感でも遠回りしてもせいぜい10分くらいじゃないでしょうか……)。

竹の宮の姫君は第二部でメインとなります。

ここで佳卓が明かしたように悲惨な過去を持つ女性です。

もともと私は寝つきが悪く、それで布団の中でいろんな物語を妄想するのですが……。この竹の宮の姫君のエピソードは、最初ヨーロッパ(それもウィーン宮廷っぽい感じの)を想定してたんです。で、性犯罪の被害と言っても未遂レベルで考えていたんですが……。

日本の御所の後宮を舞台として、大人の男性に目をつけられた女児となると、ここまで酷い目にあわされてしまうかな……と思って、この小説ではこの展開となりました。

平安時代でしたら叔父と姪の結婚はそれほど珍しくはありません。ただ、拙作では、親という庇護者がなく、本人が幼く、そして拒絶しているのを無理矢理にというのが問題視されているという設定です。
現代人の感覚で普通に小児性愛者の歪んだ性犯罪だとお読みいただければと思います。

竹の宮の姫君は悲劇的な境遇の女性ですが、この小説の准ヒロインであり、彼女の魂の再生もこの小説のテーマの一つです。どうか温かい目で見守ってくださると嬉しいです。

なお、今でも京都市の西部には竹林が広がっており(嵯峨野などは有名ですね)、筍の名産地です。
私も竹林公園に取材に出かけたので、姫君の話題になった時にそこで撮影した写真を近況ノートに挙げたいと思います。

第二部、第三部まで長くお付き合いいただければ幸いです。

平安京創生館
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/asny1/souseikan/book.html
(取扱書籍として「平安京図絵」も紹介されています)

「知っ得 後宮の全て」(國文学編集部)

「よみがえる平安京」村井康彦

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