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女武人の新たな勤務先ってどんな場所?―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「七」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「七 翠令、再び激昂する(一)」を投稿しました!

https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860703321492

前回大内裏図をご紹介しましたが、内裏は大内裏の中央よりも左(東)にあるため、左近衛とは近いですが右近衛府とは遠いです。

GoogleMAPで、昔の内裏の綾綺殿があった場所(今も同じ名称のカフェがあります)と、左近衛府と右近衛府と徒歩でどれくらいかかるか調べて見ましたら。左近衛は徒歩5分、右近衛は徒歩10分でした(現在存在している道路を最短で歩けば、の話です)。

今回の写真は、近衛府についてのものを載せたかったのですが、以下の事情で「中務省復元図」です。

京都市の「平安京創生館」とういうミュージアム。規模は小さいですが、メインの収蔵物の平安京復元模型はとても有名です。皆さんも日本史や古文の副教材とかで目にしている可能性が大きいと思いますよw また、他の平安時代関連のミュージアムでもこの模型が取り上げられることが多いです。

本作で今回舞台となった近衛府も復元されていますが、この模型、大きすぎて展示スペースから大内裏の中の写真が上手く撮影できません(鳥羽離宮のあたりしか近づけません。望遠レンズとかで撮ろうにもフロアに平面に設置かれているため俯瞰しづらいです)。
ここの出版物(「よみがえる平安京」村井康彦編)でも左近衛が分かりやすい写真がありません。

見やすいものとしては、「遺構の残像状況がよく、近年の発掘調査によって役所の建物の配置や規模などがほぼ明らかになった」中務省の復元図が掲載されています。
(「よみがえる平安京」村井康彦編22頁)

中務省と近衛府では業務内容は違いますが、大内裏の役所はこんな感じなんだろうとイメージしています。

また、翠令が「こんなことを思いつくのは佳卓様に違いない!」と靴音高く憤然と左近衛に乗り込む場面が出てきます。

当時の靴音……について迷いましたが……。平安京創生館の展示品(出土品)に木靴があったので木靴っぽいものを履いているのかな?と思う一方、武官の正装は革靴のようなので……うーん。

足音で持ち主の心情を表現したかったので、ここでは材質はともあれ、音が鳴るような固い靴底の履物を履いていたことにしています(そして沓という漢字を使うことにしました)。
床の方も、主要官庁には塼というタイルが張られているという設定です。
翠令がカンカンになってカッカッカッと荒々しい足取りで歩いている場面です。

さて。
右大将の趙元が出てきたところで、佳卓の武人の麾下が一通り出そろいました。

以降はキャラ設定のモデルについてお話ししたいと思います。

私は長いこと、小野不由美さんの十二国記のファンです。で、そもそも「小説を書いてみたい!」と一念発起したのも、十二国記の二次創作を書きたかったからなんです……。
特に、驍宗様と李斎が大のお気に入りで……。

この「錦濤宮物語」も、当初は驍宗様と李斎をモデルに考えてたんです。
ところが。十二国記における驍宗様はとても完璧な王様です。あまりに超人すぎて、いざ、自分のオリジナル作品の中で似たようなキャラを登場させようにも、動かしづらくて動かしづらくて……。

一方で、十二国記の英章に該当するキャラを登場させると、まあ話がするすると動くんですよ……。書き進めているうちにどっちがメインキャラか分からなくなってしまうほど。
そこで、思い切って驍宗様キャラと英章キャラとを合体させて「佳卓」というキャラを据えてみることにしました(「佳卓」という名前は英章キャラのためにすぐに思いついた名前です。反対に驍宗様を投影したキャラには最後までこれという名前が思いつきませんでした……)。

この「驍宗様+英章」=「佳卓」キャラ。とっても育てやすくて書いてて楽しかったですw
そして、今まで私が触れたことがある作品では「鋼の錬金術師」の「マスタング大佐」が近いかな~と思います。
ともあれ味のあるいいキャラなので、彼の今後も楽しみにしていただければ嬉しいです。

そして、佳卓の麾下も、十二国記の驍宗様の麾下がモデルです。朗風は、十二国記の臥信です。明るい三枚目だけど食えない奴です。趙元は、十二国記の巌趙と霜元を合わせたキャラです。麾下の筆頭にして常識人です。
これから軍吏キャラも登場しますが、彼は正頼がモデルです。

↑十二国記の話ばかりですみません。

もちろん十二国記が未読でも、拙作は独立したオリジナルですから全く問題ありません。
佳卓を筆頭とする近衛府の武人たちと、そのもとで宮仕えを始めた翠令にお付き合いいただければと思います。

どうか今後ともご愛読賜りますよう……。

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