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貴公子と野盗。二人の男たち―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「八」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「八 翠令、再び激昂する(二)」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860703363830

佳卓の白狼に対する人物評です。

京の都に貧民街があるという話を佳卓がします。

平安京についてはよく知られているように、右京は湿地帯で早々と廃れてしまったようです(慶滋保胤『池亭記』)。

また、平安時代について書かれた本によると、だいたい二条を境に上下というイメージの区分があり、四条以北が高級住宅地と考えられていたとされていたようです。
(スミマセン、この段落の内容↑については、図書館で借りて来て乱読していた書籍のどれかに書かれていたという曖昧な記憶しかありません)。

現代の京都市について住んでいる実感から言わせていただくと……確かに四条より南は商業地区という感じで、五条や七条あたりはオフィスビルと商店が多いですね……。

平安京の片隅に妓楼街があるというのは私の創作です。まあ、人の集まる都市にはそんな場所もあった可能性は高いだろうと思いますが……。コミックス版の「薬屋のひとりごと」の妓楼街をイメージしてます(そちらは中華ものですけれど)。

今回の写真は、平安京創生館の平安京復元模型の写真です。「よみがえる平安京」(村井康彦編)の18頁に掲載されているものです(このような写真は、普通に見学者が平安京創生館を訪れても撮影できません。ここまで近づけませんし、上から見下ろすこともできないからです)。

さて。佳卓と白狼。
京の街で追う者と追われる者と立場は正反対ですが、互いに互いの力量を認め合っている仲です。

今のところ白狼は冒頭部分で佳卓に取り押さえるという役回りしか演じていませんが、これからも登場します。
彼は、単純で風変わりながら一本筋の通った男なんですよ。ワイルドなイケメンキャラだと思ってやってくださいw(少女漫画の傑作「はいからさんが通る」の黒い狼・鬼島さんを念頭にキャラを想像してましたw)

佳卓とは、BLではありませんが、厚い友情……ブロマンス的な絆もあります。私も書いてて楽しい二人です。

第二部は白狼視点で話が進みます。第二部の最初には、白狼の方から佳卓を評価する場面も出てきます。

翠令は、今回の文章に出てきたように、商家のお転婆娘に過ぎず、翠令自身その出自を引け目に感じています。これは物語の終盤までそうです。身分は高くありませんし、商家の生まれで政治や帝位のことまでは分からない立場です。

姫宮は十歳。十代と言えば変化の大きな年齢です。
現代社会で考えてもランドセルしょった小学生の10歳児から18歳で成人ですからね。
翠令は今まで幼かった姫宮の守刀であるということが自身のアイデンティティでしたが、姫宮の立場が変わり、翠令も自分のあり方についての信念が揺らぎ始めます。

また、翠令は錦濤から御所に移って新しい職場に馴染めません。
そこは上官のフォローを期待したいところであり、次回、佳卓が頑張ることになる予定ですw

どうか続きを楽しみになさってくださいますよう。

↓平安京復元模型朱雀大路を中心とした写真

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