現在神様のメモ帳を全巻読み終わった。
ダークでアングラな雰囲気の作品である。内容もとても暗い。しかし最後に一抹の希望や、明るさがあって、よい作品だと思う。
作品のダークさが現実味を帯びて感じられるほど、文章の描写力が高い。いろいろ現実では無理だし、やくざも本当はもっと怖いと思うが、それでも説得力を感じるほどに文章が密である。
デビュー作だと思うので（詳しく調べたわけではない）やっぱり長く生き残る、支持される作家というのは文章力が高いのだなと実感した。神様のメモ帳を読んだ後に読んだ別の作者の推理ミステリライト文芸の本が描写が少なくぺらぺらして見えるほどだった。まあ私に言われたくはないだろうとは思うが。
後で自分の書きなおしている小説を読んだときも、ぺらぺらして見えた…。そりゃそうだ。
主人公は一介の高校生という設定だが、体張って事件を解決に向かわせる力がすごくて。いやお前全然普通の高校生じゃないからな？と心の中でつっこみをいれる。
しかしその泥臭さが、主人公を魅力的にしている。そりゃ女の子からもてるよなあと思う。
やはり最後に救いのあるエンディングなのが一番いいところだと思う。
うん、誰だって物語には救いを求めるものかもしれないとか思ったり。
読み放題で読むにはもったいない小説であった。でもそういう機会がないと読まなかったかもしれない作品だった。
マネしたい点、濃密な心理描写、情景描写