• 異世界ファンタジー

竜の医師団 二巻までの感想

竜の医師団を読み終えた。
設定された対象年齢はたぶんもう少し下なのかもな、と思う。
それでも大人が読んでも楽しめるいい小説だ。なんだろう、懐かしい感覚がよみがえる。私のファンタジー好きの根源は、子供のころ読んだ児童文学のファンタジーが大きいと思う。
主に海外から輸入されて翻訳された小説を時間を忘れて楽しんだ記憶。内容やタイトルはもう覚えていなくても、それらを読んだときに感じたワクワクとページをめくる気持ち。
やっぱりファンタジーはよいよね。
この小説も奇想天外な竜の治療という発想を説得力のあるものにしている。そうだよね。ファンタジーはどんなにぶっ飛んだ想像でも、リアルに感じさせられるところにだいご味がある。
文体もライトで読みやすい。ファンタジー好きにはお勧めの一冊。
までが、一巻の時点での感想だ。
だがこの物語、ほっこりするだけでは終わらない。
次の二巻の内容こそが、作者たちの書きたかったことなのだろう。
テーマは死と医療。重いテーマである。竜という恵みも破壊ももたらす存在。それに対してむき出しになる人の本性。
ドーチェの死をめぐる物語。どんなにファンタジーを書いていても、そこに息づく人間というものの心の本質を書いていく。それが重要なのかもしれない。そう思わせる物語なのであった。
そして終わり方も私は好きよ。これぞエンタメである。それ以上言うとネタバレになる。それは全部読んでからのお楽しみ、だね!
久しぶりにいいファンタジーを読んで楽しかった私なのであった。

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