今週はユア・フォルマを読んだ。電撃文庫大賞受賞作品だ。
面白かったし、文章力も高かった。大賞も納得の出来だった。月並みな表現だが最後はページをめくる手が止まらなかった。
機械的な人間のエチカと人間的な機械のハロルドの組み合わせ、と思わせておいて最後には人間的なエチカと機械のハロルドという関係に持っていったのが構造的に面白かった。
パンデミックの後、ユア・フォルマというデバイスが浸透したところも今のコロナ渦の現実においてデジタルデバイスが浸透していくきっかけとなったように説得力がある。
犯罪捜査をするものとしてやはり事件はダークだがそれも良いスパイスになっている。ありきたりな衝突、和解だなと思ったところもすべてはハロルドの計算の上、という伏線になっていた。何よりバディものが好きな自分としては大好物だった。ごちそうさまです。やっぱりクライムアクションバディものは萌えるものがあると思う。まあ自分の作品との差に(向こうのほうがレベルが高い)少し絶望を覚えないこともないがまあ仕方がない。精進あるのみだ。
マネしたい点 テンポの良い掛け合い、緻密なSF的世界観