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安倍晋三元首相に謹んでお悔やみ申し上げます。

 皆様ご存じの事かと思われますが、先日、安倍晋三元首相が凶弾に倒れお亡くなりになられました。

 政治的な話題は避けていましたが、今回だけはせめて近況ノートに寄稿させて頂こうと思います。すぐに書かなかったのは日を空けた方が情報が集まるし冷静な内容にもなるかと思った為です。

 安倍氏に関しては正直複雑な気持ちです。戦後レジュームからの脱却を掲げられ、改憲を目指された姿勢は戦後のどの政治家よりも評価できる一方、過度な新自由主義的政策が推し進められ経済格差が生じた事、対ロシア政策に関してはロシアのクリミア侵攻という暴挙の為、中途半端になってしまった事などが悔やまれます。

 私が政治に関心を持ち始めた頃は日本のGDPが世界の16%を占め、それがイギリス・フランス・イタリアの合計よりも高く、政治的には近隣諸国との軋轢以上に、日米の貿易戦争でしのぎを削っていた頃で、クリントン元大統領が来日時に、学生時代に自営業を行っていた田舎のある地域に暮らす猟友会の右翼メンバーが逮捕されたりする出来事があり、それによる反米保守的な思想が原点だったので、余りにもアメリカ寄りに見えた小泉元首相及び後継者である安倍氏には反感を抱いていた時期がありました。
 それでも後の所謂アベガーとは全く違う姿勢を取っていたつもりですが、安倍氏支持者には何故か左翼呼ばわりされていた事もありました。(というか、記紀すら読んだ事がなく、漢文も読めない様なネトウヨ連中に言われたくねーよと言う感じでしたが)

 そんな私も東日本大震災後、最も復興に協力的だったのがアメリカだった事から、以降は反米保守的な思考は影を潜めて行った経緯があります。(地政学的な観点からすれば、アメリカの標的が日中の国力の推移により、日本から中国に代わっただけでもあるので、まだ信用しきった訳では無いですが他に背を任せるべきパートナーも居ないので、思想の現実的な妥協です)

 今思えば安倍氏は理想が高いリアリストとでも評すべきでしたのでしょうか? 今でこそ批判されていますが、アメリカだけでなくロシアとも交渉をしたのは当時の状況を鑑みれば悪くなかったと思います。

 ロシアと交渉していた時期にある外務省の関係者が「ロシアと中国両方と喧嘩は出来ない」と言っていた様に、信頼に足らないとはいえ、ロシアに歩み寄るのは当時の情勢としては仕方が無いのかと思います。

 もっとも、当時の報道で、例えばプーチン氏を親し気に「プーチンさん」等と呼んだり、日本文化に関心がある事=日本好きと歪曲したり(こういう勘違いをするのは日本人だけらしいです。事実、日本文化が大好きな韓国人や中国人が一番の反日国ですしね)、すぐにでも北方領土が返還されるかの様な報道の過熱ぶりは異常だった記憶がありますし、ロシアの視線で考えれば無理な事は一目瞭然なのに期待を煽る様な報道はすべきではないと思った記憶があります。

 先の事を考えれば、ロシアとウクライナの戦争終結後、感情的な事は別として、必ずロシアと交渉する必要があるので、その時は安倍氏しか交渉出来ないと思っていました。プーチン氏との関係を構築を出来ていない岸田氏では無理でしょう。そう思うと取り返しのつかない事を山上容疑者はしてしまったと思います。

 山上徹也容疑者に関しての報道には違和感があり、どこまで本当なのか疑問があります。容疑者の母親が多額の寄付を行っていた某宗教団体に恨みを持ち、その団体の教祖を殺害するのが難しそうなので安倍氏にターゲットを切り替えたとの事ですが、普通に考えれば一宗教団体の教祖と元首相でどちらが殺害しやすいかと言えば、教祖の方が殺しやすいと判断するかと思います。結果的には安倍氏が殺害されましたが、教祖よりも安倍氏を狙ったという事が不自然に思えてなりません。

 報道に関する不信感を抱くのは他の方にも多いようですね。ですが、ネット情報やSNSの類でもソースが明らかでないものは信用すべきではありませんね。

 昔は報道以外の情報としてオピニオン誌をよく購読していました。左は『世界』から右は『諸君!』まで全部読んでいた時期がありましたが、『諸君!』(ついでに朝日系の『論座』)も存在せず、今となっては良質なオピニオン誌は皆無という状況が嘆かわしいです。いや、今時オピニオン誌何て言う自分が古いだけかも知れませんが。

 せめて我々が出来る事は報道やネット情報に踊らされず、あまり悲観しすぎる事も楽観する事もなく、冷静さを保つ事かと思います。

 安倍晋三元首相に謹んでお悔やみ申し上げます。

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